自室にて
菊「そうそう、わたし、死ぬことにしました」
蒲公英「ちょっとちょっと、何言ってんの~マジウケルw」
私が知らない私を作って、何も知らない相手と話す。
それが、暇つぶし。
菊「さようなら。蒲公英さん、今まで相手をしてくれてありがとっ。明日の正午、わたしは消えます」
私はその書き込みを読んで、すぐに思った。
どうせ、嘘だろう。
蒲公英「菊さん、嘘吐かなくてもいいですよ。私、信じてませんから」
蒲公英「菊さん、そんなに粘らなくてもいいじゃないですか」
蒲公英「菊さん、いい加減出てきたらどうです?」
蒲公英「菊さん、私はあなたが嫌いのようです」
菊「いやだ、嫌わないで」
ようやく、出てきてくれた。
菊「蒲公英さん、いやだよ、嫌わないでよ、わたし嫌われたくないの」
蒲公英「しかし、私はあなたが嫌いです。大嫌いです。もう一度消えてください。もう二度と、ここに来ないでください」
私は、人に頼ることしかできない者が嫌いだ。なぜ自ら動かないのか。間違っていてもいいじゃないか。自分でどうにかすることぐらい、自分で出来るんだ。
菊「わたしね、クラスでいじめられてるんだ。だから、蒲公英さんしか頼る人がいないの。お母さんもお父さんも、わたしが自分から行動しないからイライラしてるの。わたしだって、好きでこんなふうじゃないのに」
そんなことを、聞いたことがあった。
それを知って、私はとてつもなくイラついた。こいつは、私の嫌いなやつだ。私と一緒にいては、いけないやつだ。私と一緒にいてはいけない。じゃないと、こいつが、こいつが。
壊れてしまう。
蒲公英「菊さん、あなたは一人で出来るはずなんですよ。自ら行動することが出来るんですよ。あなたは、行動する権利を持っているんだ。自由なんですよ、あなたは。だから、もうここには来ないで。私に頼るほど、弱い人間じゃないはずだ」
私は結局、この文を載せなかった。
きっと出来るはずだから。