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猫の骨  作者: 448 23
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「」

 猫が死んでいた。

「……」

 私はなにもしなかった。

 なにも感じなかった。



 そのあと、自分がなにをしたのかよく覚えていない。



「おはよっす」

「おー」

 学校にて。

 隣の席にいる男子に適当な返事をすると、彼はすぐに話しかけてきた。

「なあ、このあたりに連続殺人犯がいるってよ」

「連続……ああ、あれか」

 最近は各地で事件が起こっているため、彼の言う「殺人犯」を理解するのに少しかかってしまった。

「こえーよなぁ。ま、気にしなければいいだけか」

 俺、陸上部だしなっ。

 ニカッと笑って言う彼を置いて、私は教科書を読んだ。


 

「夜は危ないですよ、お嬢さん」

「お嬢さんと言われる程、か弱くないんです」

 アイスが欲しいと思ってコンビニを目指していたら、目の前に人が現れた。私より背が高い。肩幅が広い。結構大柄のようだ。そして右手には、ぎらりと光るナイフ。

「申し訳ないけど、死んでくれるかな」

「どうぞお好きに」

 運動は苦手だ。どう見ても、勝ち目がない。ここは抗わないほうがいいだろう。醜いのは、嫌いだ。潔いほうがいい。好きな体勢で死なせてくれるかもしれない。

 思い浮かぶことは、どうでもいいことばかり。私は兄が嫌いじゃないのに、ちっとも兄のことが考えられない。走馬灯も、なにもない。

「……つまらないな」

「はあ?」

「やめておこう。君はつまらない。つまらなさすぎる。殺してくれと頼んでくるやつのほうがよっぽどいい」

 ボクのことは、他言しないでね。

 私は彼の言葉を最後まで聴くことなく、コンビニへ向かった。

 どうでもいいのにな。どうにでも、なってくれ。

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