第五話
それではあなたの名前を教えて下さい。
「名前?貴様らに名乗る名などない。去れ!」
も、申し訳ございません。
それでは人間についてだけ教えていただけませんか?
「人間?あの貧弱どものことか。あんなザコ興味などない。それよりも腹が減ったな…ジュルリ」
ひぃい!
と、ところで立派なたてがみですね…。
「そ、そうか。うむ、そうだろうな!わはは。お主分かるの!良いだろう。私の名前を特別に教えてやろう。」
(別にいいですとは言えない)
「我は弱肉強食のこの世界で頂点に君臨する百獣の王、ライオン!」
と、とても凛々しい方ですね。
「そうだろうそうだろう。ところで人間について聞きたいのであったな?」
はい!是非!
「人間はサルを使い、この自然を壊そうとするのだ。私は幾度となく戦いを挑もうとしたが、…少し体調が悪くてな」
「パパの嘘つき。人間が怖くて逃げてきたくせに。」
「こらバカ息子!黙っとらんか‼怖かったわけではない。人間がサルに黒光りする物を持たせて攻撃してくるのだ。それを私は華麗に避けて戦ったのだよ。」
「パパ違うよね?あの黒いのが怖くて逃げて、あまつさえ足に怪我しちゃったんだよね?」
「…ええい!うるさいうるさい!もういい!貴様は去れ!今すぐ去らぬと言うなら食ってやる!」
し、失礼しました〜
補足:意外と興味深い話が聞けた。この星もやはり弱肉強食らしい。その頂点に立つのはこれまでの話を聞く限り人間なのだろう。
この星の侵略にはこれまで以上に人間の調査が必要だ。
そして、もう二度とライオンには近づくまい…