第一章 発端
暗闇の中俺は一人で歩いていた。
あたり一面真っ暗だ。さっきまであった消えかかっていた街灯も、もう一つも無かった。
頼りになるのは今手元にある携帯電話の明かりだけだ。
つまり、電池が消えたら文字どうり暗闇に、なってしまう。
走りたいのだが地面が凸凹しているので、走りたくても走れない状態だ。
「まったく、いつになったら出られるんだ」俺は独り言を言った。
もうかれこれ二時間以上は経っている。
もう、一生ここから出られなくて死ぬのか?
などと、不吉なことを考えているうちに一つの小さな光が見えた。
最初は幻覚かと思ったが、目を凝らして見ると、幻覚ではないと思った、いや、幻覚ではないでほしい。
そして、進んでいくと光はどんどん大きくなっていて、ようやく光の元にたどり着いた。
しかし、そこは外ではなかった。
「なんだ…これは……クリスタル・・なのか」
そう、俺が見たのは、大きな大きな馬鹿でかい、クリスタルだった。
全長三百メートル、横幅百メートルぐらいのクリスタルだ。
よく見ると根本に文字が書かれている。
《このクリスタルを壊すものよ、古のちからを与えられん》
…どういう意味だろうか、壊す?古?どういう意味か分からない。
「なんなんだよ外じゃないじゃん、くっっっっっっそ――――、外に出られないのか、
死ぬのか、はぁ~」と、俺は絶望を感じもう駄目だと思い、力が抜け、尻餅をついた。
その時、何かの音がした。
「ポチ」
何かのボタンの音、まさかと思い俺は自分の尻に目を向ける。すると、赤いボタンがあった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!と地面が激しく揺れる。と同時にクリスタルもその振動で崩れていく。
「なんだなんだ、この揺れは$#じぇ@&!!」
揺れは数分間続いた。数分経った後、辺りを見渡した、すると手の近くに一つのブレスレットがあった。
「なんだコレ」
そう、このブレスッレトこそが、俺の人生を180度変える元凶になるのである。