【22:00】エピローグ。おやすみアイリス、また明日。
3月7日(女神の安息日) 天気:快晴(アイリスの髪のように、無駄に眩しい)
今日の主君、アイリス。
起床、予定より三秒遅れ。ボクを抱き枕にする筋力は日に日に上がっている気がする。負けないけど。
朝食、オムレツのパセリは完璧に排除。彼女の機嫌は食事の質に直結する。
王立式典。
「トモダチ」との接触。アイリス、少し萎縮。
ボクが介入すれば十秒で解決する案件だったのに、「自分で話したい」などと、非効率なことを言い出す。
アイリスの要望を承諾、三歩下がって影に徹する。
結果、アイリス、自力で会話を完遂。
第一王子の拝謁、問題なし。
ダンスのお誘い、ステップの乱れなし。
……正直、ボクの予想を三割ほど上回る出来。
アイリス、やればできる子。ボクの自信作。
式典終了後、柱の陰で抱きつかれる。
ドレスはシワだらけ。心臓がいつもよりだいぶ賑やかだった。
柔らかいものが顔を覆ったりしたけど、逃げるのはやめた。
アイリスの鼓動が、ボクの頭に直接響いてうるさかったから。
……あんなに必死に戦ってきた心臓を、冷たく突き放すのはばかられた。
帰りの馬車、アイリスはボクの膝に頭を乗せて即座に就寝。
寝顔は、今朝の酷い有様とは別人。
少しだけ、誇らしい令嬢の顔になっていた。
だいぶおつかれだったけど、ドレスを脱がせて湯浴みをさせる。
ゴロゴロ脱がせてとか、ゴロゴロ洗ってとかいつも言う、言われなくともやるのに。
寝室まで移動、抱っこって言われた、するけど。
ベッドに抱き込まれようとする。するりと逃げる。これ書くため。
書き終わるの待ってるとか言ってたけど3分くらいで寝息を立て始めた。おやすみ。
明日の予定。
式典の疲れを考慮し、起床は三十分遅らせる。
朝食は、彼女が好きな甘いハチミツのトーストにする。
……シワになったドレスのお手入れは仕立て屋にだすので整理しておく。
アイリス、おやすみ。
明日もまた、ボクが君を完璧にしてあげる。
そういえば今日何も食べてない。
銀の匙、持ってきちゃった。後日返そう。
「……ん……ゴロゴロ、ちゅーして」
「しないよ。どんな夢見てるの」
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
ソルトでビッグラヴな従者ゴロゴロと、よわよわ令嬢アイリスの長い一日。
最後に収録した『従者の観測日記』……小さな身体の中の大きな想いは感じられましたか。
もし少しでも「尊い」「スカッとした」「二人の空気(壁)になりたい」と思っていただけたら、下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に塗りつぶして評価やブクマをいただけると、ゴロゴロが泣いて(無表情で)喜びます!
また別の物語でお会いできることを願って。
ありがとうございました!




