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第五十二話『デュラードの城と雷の裁き』

「ありました。 中から強い魔力反応があります」


 城までたどり着くとルエルがいった。 俺たちは遠い丘から城の見える位置まできた、 警備がかなり厳重で多くの兵士が見回りをしている。


「おそらくデュラードは地下にいると思います。 あそこには魔巧装置がありましたから」


「ふむ、内部はナナミが知っているが、問題は中への侵入だな」


「ええ、前はリシェの透明化できましたが、今回はトゥエロの転移で中に入ろうと思います」


「まって、そのトゥエロを使ってここまで来たでしょ。 かなりの魔力を消費しているはず、ここは私に任せて」


 そうメリカ姫は自信ありげに言った。


 夜になり、城へと近づく。 壁に手にもったナイフを突き立てると腕力で簡単に登れる。


「これは楽だな。 体は軽くなっても腕力はそのままか。 ルエルを背負っても軽々だ」


 俺たちはメリカ姫の界獣、クターニャの能力で体重を軽くしたため、壁を易々と登れるようになっていた。


「でもクターニャからあまり離れないでよ。 能力がとけるから」


 俺たちは壁を登りきり城へと入った。


「この奥の部屋の暖炉の中が研究施設のようでしたが、ルエルどうだ?」


「ええ、魔力を地下奥から感じます...... でも複数いて正確にはなにがいるかわかりません」


「それなら、地下になにかあるのは間違いはないか。 ただ複数というのが気にかかる。 メニフィアという側近がいたけど......」


「向こうが複数いても、こっちも複数なのよ。 戦えるわ!」


「そうだな。 このまま捕らえられないとにらみあっている軍がぶつかり多数の死者がでる。 デュラードさえ捕らえてしまえばそれを防げる」


 クリエイスさまがそういって剣を抜く。


「......そうですね。 行きましょう」


 俺たちはエトゥロで地下へと跳んだ。


 地下へと移動し通路を歩く。通路や左右の部屋には焼け焦げた後があり、再建してはいなかった。


(そのままか、奥だけ直したのか......) 

 

 通路奥に扉が見え、ゆっくりと近づくと中を覗き込む。


「いたぞ! デュラードとメニフィア...... もう一人あれは、そんな......」


「どうしたの?」


「......王契将、ハリベイルさまだ......」


「なんだと...... 王契将が帝国と繋がっていたのか」


「そんな......」  


「......嘘でしょ」


 クリエイスさまとルエル、メリカ姫も言葉を失う。


(やはり王契将の中に裏切り者がいた...... ハリベイルさまだったのか)


「王契将がいる中に入り戦うのは自殺行為......」


「だけど戦争になっては......」


(リルも危なくなる...... あれは)


 ハリベイルとメニフィアは黒い渦の中に消えた。


「いなくなった......」


「ああ、転移のようなものか。 だがこれは好機、今ならやつを捕らえられる!」


「ええ! 行きましょう」


 俺たちは中になだれ込んだ。


「お前たちは!」


 デュラードは剣を抜き振るう。 突風が俺たちを押し戻す。


(前よりパワーがあがっている! 帝国とハルリールの技術か!)


「デュラード! 界獣を憎んでどうなるというのです!」


「人々のためだ! あの怪物は排除せねばならない! 人間同士でも争いがあるのにあんな生命と共に生きれるなど夢想にすぎん!」


「その他に戦争をするというのですか!!」


「帝国は界獣の撲滅を約束したのだ! 帝国がこの世界を支配すれば界獣どもを排除できる! 本当の平和が訪れる!」


「そんなことこそ夢想だ! 他国を力で支配する彼らは、界獣などより危険な思想を持つ! 我が国のように支配されるだろう!」


 クリエイスさまはそう叫んだ。


「そうよ! 界獣と共にいきている私たちがいる! あんたの妄想に付き合えないわ! みんな少し重くなるよ! クターニャ!」


 体が重くなる。 だがそのお陰で飛ばされずに踏ん張れた。


「よし! ザッファ!!」


 ザッファが風を放ち、相殺する。


「くっ......」


「クリエイスさま!」


 クリエイスさまの前にトゥエロを出した。 すぐさまクリエイスさまはトゥエロにはいる。


「あの男はどこに!? なっ!!」

 

 クリエイスさまはデュラードの背後に出ると剣を振るう。 デュラードはなんとかその剣を防いだ。


「無駄だ!」


 剣から放たれた雷撃がデュラードを包んだ。


「がはっ......」


 体から煙を出し、デュラードは膝から崩れ落ち倒れた。


 デュラードを捕らえると、俺たちはデュラードの城からぬけだし、軍がにらみあう前線へと戻った。


 デュラード軍にその一報が伝わると、容易く投降し始めた。


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