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第三話『召喚士登録と魔力の代償』

 町を見て回る。 かなり豊かなようにみえるが、やはり町の裏通りがのぞくと暗がりに粗末な家々が並ぶ。


「こんなに栄えてるのに、裏通りはスラムのようだな」


「ええ、貴族階級もありますし、やはり貧富の差がひどいんですよ。 さっき話した魔巧具も高いものは貴族や裕福なものしか使えませんね」


「結局は権力や金か。 それで、そのハンターとやらになれば生きていけるんだな?」


「ええ、あなたは召喚術を使えますから、うまく使えばこの世界で成功するでしょうね」


(これは考えものだ。 もとの世界で成功するのは厳しいと現実がみえてきていたが、この世界なら成功できるかもしれないな......)


 もとの世界でも特別な能力もやりたいこともなかった俺には、とても魅力的に感じた。


(しかしパソコンやスマホの中身を知られるのが......)


「くぅぅぅ!!」


「なに体をくねらせてるんですか。 さっさと行きますよ」


 俺が悶えていると、冷めた目でルエルがいった。



「ここが【ハンター協会】か」


 町の中心部に、かなり大きな建物があった。 そこには屈強な男女が武器を持ち大勢あつまっている。


「なんか近代的な銃なんかを使うのかと思ったら、結局、弓矢や槍、剣かよ」


「さっきも言ったように、魔巧具は貴族や富裕層のものですよ。 普段使いできるものではありません」


「まあ、いってみるか」


 建物にはいるとカウンターがあり、受付嬢と目があった。


「お客様、今日はどのようなご用件でしょうか。 あっ! あの、その前にこちらはペット禁止となっておりまして......」


「ペットではありません! 界獣のルエルです!」


 そうルエルは足元から抗議した。


「か、界獣がしゃべった! い、いえ、失礼しました。」


 受付嬢は平謝りした。


「いや別にいいよ。 俺は傷ついていないし」


「よくないです! 私が傷ついたんだから、一緒に傷ついてください! マスターでしょ!」


「それで今日は何用でしょうか。 召喚士さまならば登録でしょうか」 


「ああ、うん。 でも俺みたいな子供でも登録できるの」


「ええ、本来ならば試験を受けてもらうのですが、召喚士さまなら特別枠として試験が免除されます」


(なるほど確かにこの能力は希少なようだな)


「では、こちらの書類をよく読んだのち、署名をお願いします」


 そういって受付嬢はカウンターに書類をだした。


「ん? そういえば、この世界の言葉も文字もわかるんだが」


 足元のルエルにきくとうなづく。


「無意識下では人も世界も繋がってますからね。 その影響では?」


「ふーん、まあわかるにこしたことないからな」


 書類に軽く目を通すとサインをした。


「ナナミさまですね。 わかりました。 依頼書はあちらの掲示板です。 そちらから必要なものを手にこちらにお持ちください」


 そう壁にある大きな掲示板を示した。


「ありがとう」



 掲示板には羊皮紙のような紙がびっしりと貼られていた。血の跡がついたものもあり、依頼の危険度を物語っている。


「たくさん依頼があるな。 ほとんど依頼主は国だぞ」


「ええ、鍛えた兵士などを動員するより、安上がりなんでしょうね」


「えーと、モンスターの討伐、部位の入手か。 こんなもん何に使うんだ?」


「具現化したモンスターは普通の生物のように存在しますから、食料から素材まで何でも需要がありますよ」


「そうなのか。 それと本当に俺がモンスターと戦えるのかよ」


「ええ、それは詳しくあとで説明しますが、あまり強い界獣を呼び出すのはやめてください」


「なんでだ?」


「我々呼ばれた界獣はあなたの存在の力──【魔力】でここにいるといいましたよね。 当然それは消費されます。 力の強いものほどその消費は激しく、あなたが存在の力を失えばあなた自身が存在できなくなります」


 ルエルが真剣な顔でいった。


「なっ! それって消えるってことか!」


「ええ、魔力がすべてなくなればの話です。 ですが寝たり休息すれば回復しますから」


「ほっ、よかった。 それでシェリーは消えて、お前は消えないのはなんでだ?」


「あなたが無意識化で私を留めているのでしょう。 シェリーは必要がないと判断して無意識に帰したのだと思います」


「ふむ、確かに俺にはルエルが必要だな」


「そうです!!」


 そうルエルは鼻息荒く胸を張った。


「とりあえず、最悪のときの備蓄食料があるから依頼をこなすか」


「まだ、食料と見なされている!!?」


 俺は依頼書を一枚選び手に取ると、受付へと持ち込んだ。

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