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キャロルサイド

「うぁぁぁ。何これ。めっちゃうまいじゃん!」


突然背後に現れた7歳くらいのあどけない男の子を私はじっと見つめてしまった。


「いい味付けだねぇ」


その存在感に目が離せなかった。小さなアリが巨大すぎる天変地異を前に固まってしまうように頭は動いているのに体が動かない。


「うまうま」


全力ではないのだろう。たまにわざと微弱にもれだしている魔力からその圧倒的、計ることすらできないほどの実力差があると感じ取れた。


(逆らってはいけない)


自然とそう感じた。


「あ、君が"キャロル"だね。はじめまして。ぼくは主神をしてるノアっていいます。よろしくね」


少年ーー主神ノアは親しい旧友にでも話しかけるようにいった。


「もう食べちゃった……おかわりってある?」


主神をやってる?ノア?ーーとんでもない情報が一気に脳に飛び込んでくる。だけど気を損ねたら何があるかわからないと、


「は、はい!すぐに作ります!」


追加の朝食を作った。


「何しにきた」


「さぁ」


「とぼけるな!」


「……」


「思い通りにさせるか!」


背後では何やら不穏な空気が充満しはじめた。金属同士がぶつかる甲高い音が響く。だけど


(早く作らなきゃ!)


今の私はそれどころではなかった。死に物狂いで朝食を作った。丁寧に。そして


「できました!」


できた料理をテーブルに並べた。


「うまそぉ」


どうしよう。主神が私の料理を食べてる。


「美味しいねぇ」


リスのように頬を膨らませて。


「どうやったらこんな味が出るの?」


私の作った鮭のムニエルとサラダにゼッタをうっている。しかも


「キャロル逃げろ!」


包丁で斬りかかるレオンを片手間で捌きながら


「どういう状況?」

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