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キャロルサイド

(誰か)


レオンに助けてもらってから2日が経った。


「はぁぁ」


帰るところもなく、どうしようか迷っていたらレオンは


"ずっとここにいればいい"


と言ってくれた。迷惑をかけたくなかったけど、行くあてもなくレオンの申し出にあまえた。だから私は少しでも恩を返したくて、まずは朝食作りから始めた。


「いい匂い」


起きてきたレオンが後ろから抱きついたまま私を解放してくれません。


(だれか助けてぇぇ!)


もうずっと心臓がバクンバクンと弾けっぱなし。それでもなんとか耐えて料理をしているけど、レオンは次第に


「いい匂い。落ち着く」


髪の匂いをかいでは、背中に頭をぐりぐりしてくる。


(そ、そんなに抱き付かないでよぉぉ!)


ギュッとキツくないけど、それでもレオンの心音が伝わってくるほどに抱きしめてきて


(ああ、これ。もう聞かれちゃってない?)


たぶん。いや確実に。レオンの心音が私にもわかる以上、レオンにも私の心音は聞かれてる。別に心音くらいと思うけど。でも、なんか恥ずかしい。


(ああ!)


もうムリ!限界!心苦しいけど心臓がもたない。


「ね、ねえレオン。少しだけ離れてくれない?」


だから申し訳ないけど少し離れてってお願いをしようとしたら


「離れない」


食い気味に言われてしまった。ちょっと拗ねてもいる。


(か、かわいい)


反則である。ただでさえ絵画のように美しく整った顔をしているというのに。そんな顔で、そんな表情で見つめられると


「うそうそ!どんどん抱きついて!私は大歓迎だから!」


もうなんでも許しちゃうよぉぉ!


「うん」


結局、レオンに抱きつかれたまま、いつ爆発してしまうかもわからない心臓と戦いながら朝食を作り上げた。


(つ、つかれたぁぁ)


ちなみにレオンはトイレへといったので、一時的に解放された。私は紅茶を淹れてホッとひと息つこうとポッドへ手を伸ばしたとき、


「うぁぁぁ。なにこれ!めっちゃうまいじゃん」


背後からいきなり少年の声と


「逃げろ!」


慌ててトイレからレオンが出てきて叫んだ。


「へっ?」

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