キャロルサイド
もっと寡黙な人だと思ってた。
基本的にはレオンからの「おはよう」が始まりだった。そのあとはいつも
「いきなり聖女とかさ」
私が喋ってレオンは
「うん」
私が喋り終えるまでずっと話を聞いている。どんな話でも。最後まで遮らずに。
「はぁぁ、なんか怖いよ」
自分からは喋らない。だから話してて「迷惑かな?」って不安になったりもした。だから寡黙な人なんだと思った。
………
……
…
「ありがとう」
でも実際に会ってみると私が想像してたよりも。
「それほどのことは」
悲しい顔をしたり、今は私が抱きしめたらうっすらと頬を染めている。表情は微動だにしていないけど、レオンの声、仕草、雰囲気で伝わってくる。
「えい」
それがなんだか可愛くて面白半分で、さらに身体を密着させると頬の赤みが増していった。
(ふふ。ちょっと楽しい)
レオンの反応が面白くて、つい調子にのった私はさらに身体を密着させた。
「や、やめ」
しかしやりすぎてしまった。レオンは困ったようにうっすらと目の端に涙を浮かべていた。可愛いけど、なんか絵になるほどの美しさで、
「あ、ご、ごめん」
しばらく見入ったあと、急に我に帰って視線を逸らした。
「っ!」
激しくなり続ける鼓動。それがあまりにも響くものだからレオンに聞こえてしまいそうで、恥ずかしくて両手を当てて胸を押さえた。
(美男子って本当、何をやっても絵になる)
と恥じらうレオンの姿を思い出したら落ち着いてきた鼓動が再び跳ねた。
(ああ、もう!落ち着いて私!)
とにかく今はいったん落ち着くこと。私はレオンから距離をとって深呼吸
「はぁぁぁ」
「はぁぁぁ」
でも、なぜかレオンも全く同じタイミングで深呼吸を始めたものだから
「すぅぅ、はぁぁ」
「すぅぅ、はぁぁ」
私とレオンの深呼吸がシンクロした。見事に被るものだから
「……あは、あはははは!」
いつのまにか笑ってた。
(あーあ、もっと寡黙な人だと思ってたんだけどなぁ)




