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キャロルサイド

「ごめん」


悲しそうに私にあやまる妖精王。その想いが私の中に流れ込んできた。



………

……



妖精王、いや、レオンは孤独だった。生まれたときから「妖精王」として崇められ、その強すぎる力ゆえに恐れられもしていた。だから周囲とは常に距離があった。


空虚ーーそんな日々を200年過ごしたのちに進軍してきた魔王とその配下を1人で打ち破った。


"よくやった"


レオンはその功績から主神より亜神へと存在進化を許され、天界の奥地の一角「名もなき森」を与えられた。


神界ではレオンくらいの強い人はたくさんいる。今度こそ「普通」になれたと思った。


しかし神同士の交流は禁じられていた。


かつて主神の地位を狙った反乱分子がいて、神界は戦場と化したことがあった。


反乱分子は消滅させたが、また同じように徒党を組むかもしれないと危惧した主神が、神同士の交流を禁じた。


原則として持ち場区域からは出てはならない。


少し期待したけど、いつも通りとレオンは割り切って1人で過ごした。


(……)


でも、やはり割り切ってはいてもしょうがないと思っても。


"寂しい"


でも、その寂しいはすぐに消えることになった。それはどういう理由かはわからないけど、聖女との間に繋がりができたことで思考だけでの意思の共有ができるようになった。


聖女と話す日々は楽しかった。


しかしそんなレオンにも悩みができた。それは聖女という立場に苦しむ私だった。


私の苦しみを知っていて助けてあげたいのに助けられない。


神界から地上へ降りることが許されていないから破れば主神より消される。


迷い、動けぬまま時間だけがすぎていった。そして結局、私は死んだ。


(……っ!)


だけど、最後の最後でレオンは地上へと降りて私を生き返らせ、神界に一緒に戻った。



………

……



「ごめん」


レオンは何度も私に謝り続けた。そのたびにレオンの悲しみが大きくなって自分自身を責める。


「ごめん」


おわりのない自責の念。私もそうだからわかる。レオンの苦しみが痛いほどに。それに責めてほしくなかった。


「ありがとう」


あの苦しい日々の中でレオンと話した時間があったから私はつぶれずに済んだ。「私」でいられた。だから私はレオンを優しく抱きしめた。


「ありがとう」


って。

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