キャロルサイド
水の中を漂うみたいにフワフワして心地よい。胎児がお母さんのお腹の中に居続けたいと思う理由がよくわかる。
心地よくて自然とリラックスして、まぶたが重くなる。この心地よさに身を任せたい。
「……」
だけど
「……」
はっきりと声は聞こえないけど、かすかに私を呼ぶ誰かがいると思った。だから本当はまだ心地よさに身を任せていたかったけど、重いまぶたを開けた。
「おはよう」
まぶたを開けた先には
「……お、おはよう」
美男子がいた。
「僕が君を生き返らせた」
見たことのない顔だったけど、その声には聞き覚えがあった。
「……妖精王?」
そんなことがあるのか。と自分の直感を疑いつつも聞いてみた。
「あたり」
すると美男子もとい、妖精王は柔和な笑顔でこくりとうなずいた。
「っ!ごほっ!ごほっ!」
まさかの正解に、何より自身の想像と違う姿に驚きすぎて盛大にむせてしまった。
(ええ!)
私が想像してた妖精王ってもっとこうひげを蓄えたおじいちゃんだと思ってた。しかし目の前にいるのは、
「……」
つい見とれてしまうほどの容姿端麗な美男子だった。
「やっと会えた」
そんな絶世の美男子は、私へと近づき、その美しい指先で
「僕の愛しい人」
私の頬をそっと触れた。それだけのこと、それだけのことなのに
「きゅ」
あまりの衝撃に私の思考は爆発した。そんな私を
「ごめん」
妖精王は優しく抱き留めた。
「ごめん」
抱きしめる彼の体は震えていた。




