魔王サイド
春が来た。ついにワシにも
"魔王様。500年前からずっとずっと好きです"
春がやって来たぞい!
(ふふふーーついに、ついにワシにも彼女ができたぁぁ!)
ずっとずっとコンプレックスじゃった。年齢=恋愛経験なし……じゃがそれももう終わりじゃ。今なら見栄を張らずに、やり過ごそうとせずあやつの相談に乗れるぞ。
(経験者じゃからの)
「魔王!」
そらきた!ふっふっふっ!
(今のワシならどんな問題にだってアドバイスできちゃうよぉ)
ワシの執務室にレオンがやってきた。レオンーーきゃつは、ワシの前にやってくると開口一番。
「嫌われたかもしれない!」
それだけ言うと、目をうるわせて助言を求めるように「助けてくれ」と視線を向けてきた。
(ふっふっふっ、なるほど。察してということか。ふむ、よかろう。昨日、恋人ができたワシなら予想できるはずじゃ!)
まさかそこまでレオンがワシのことを信頼してくれていたとはーーワシは感動を覚えつつ考えた。
「ふむ」
レオンーーきゃつの信頼に応えるために。いや、プライドのためにも助言をして見せる!彼女の名にかけて!
(ふむ)
と意気込んではみたものの
「ふむ?」
なんのヒントもなしに何があったかを想像するって無理じゃね?せめて何かしらのヒントが欲しい。そう思ったワシは
「で、何があったんじゃ?」
とレオンに聞いてみた。
(ちょっと直接的な質問すぎたか?)
不安に思ったが、聞いてしまったものは仕方ない。さぁ、レオンの解答やいかに。
「……きゃ」
きゃ?
「……キャロルに嫌われたかもしれない!」
レオンは涙を流してワシの執務机に顔を埋めた。それ以上は何も話さず。
(まさかのノーヒント!)
期待していたヒントがもらえなかったワシは、執務机に頭突きをかました。
(わかるかぁぁ!)




