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あーかい部! 46話 栄養

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立池図女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。



3度の飯より官能小説!池図女学院1年、赤井ひいろ!


趣味はケータイ小説、特筆事項特になし!

同じく1年、青野あさぎ!


面白そうだからなんとなく加入!同じく1年、黄山きはだ!


独り身万歳!自由を謳歌!養護教諭2年生(?)、白久澄河(しろひさすみか)



そんなうら若き乙女の干物4人は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。

池図女学院部室棟、あーかい部部室。




「ぐへぇ……、」




きはだは死んだように机に上半身を横たえていた。




「お、死んでる死んでる♪」


「不謹慎なヤツめぇ……、」




後から入ってきたあさぎがきはだの髪の毛をくるんくるんして遊び出したが、きはだに抵抗する余力は無い。




「いい加減、体育の後に死ぬ癖直したら?」


「うっせ、きはだちゃんは全力で何かするようにできてないんだよぉ……、」


「栄養足りて無いんじゃない?」


「足りてないのは体力……ぐへぇ。」


「大丈夫?ふ菓子食べる?」


「冗談だろぉ……!?」


「冗談だよ。持ってきてないし。」


「あさぎちゃんもいい加減、その畜生直したら?」


「よし、今日も元気だな。」


「畜生めぇ……!」


「っていうかさあ、きはだなんでそんなに体力ないの?」


「知らぬ存ぜぬ。」


「栄養足りてないんじゃない?」


「その栄養推し何?」


「というわけで今日は栄養回です。」


「最初から狙ってたなぁ……?」


「今日は体育だからね♪」


「ほんっといい性格してるよあさぎちゃん……、」




悪態をつくきはだをものともせず、あさぎは依然としてきはだの髪をくるんくるんして遊んでいた。




「で、栄養といえばだけど。」


「もう少しぐーたらしてからに


「何がきはだに足りないんだろうね?」


「休養だよ……!」


「お〜。」




あさぎはきはだの髪をくるんくるんしていた手を離して、拍手できはだを賞賛した。




「大喜利じゃないんだよぉ……、」


「自分でやっといて?」


「誰のせいだと……!」


「なるほど、イライラするきはだちゃんにはカルシウムが足りてないっと。」


「喧嘩の訪問販売かな?」


「栄養素の話なら私に任せなさいっ!」




タイミングを測っていたのか、それともたまたま来たのか、白ちゃん入室。




「来ると思ってましたよ、白久澄河(しろひさすみか)養護教諭。」


「養護教諭だからね……!」


「うへぇ……また騒がしいのが来た、」


「イライラしてる人はカルシウムが足りてないってよく言うけど、


「あさぎちゃん相手よろしく。わたしは寝る


「寝かさないわよ?」




白ちゃんがきはだの頭をガッチリ両手でホールドして起こした。




「うへぇ、こんなの教育虐待だぁ……。」


「それは違うわきはだちゃん。」




白ちゃんは触れていたきはだのほっぺをモチモチしだした。




教育虐待は過剰な英才教育を施した親が、期待に見合った成果をあげないことを理由に子どもにキツく当たることを言うの。」




「じゃあほっぺモチモチするのやめて、」


「嫌よ。」


「理不尽……。」


「その点、私はきはだちゃんに何も期待していないわ。ただ、黙って私に知識をひけらかされてくれればそれでいいの。ね?教育虐待じゃないでしょ?」


「生徒に睡眠取らせないのは体罰なんだよぉ……。」


「夜寝なさい。それでカルシウムとイライラの関係だけど、確かにカルシウムには脳の興奮を抑える働きがあるとされているわ。」


「zzZ……」


「寝てるっ!あさぎちゃん寝てるよぉ。」


「お黙り。」


「なんたる理不尽……。」


でもこの2つに化学的な因果関係は証明されていないの。つまりまだ迷信の域をでないってことね。」


「z……くそぅ、ほっぺモチモチされて寝れねぇ……!?」


「でもカルシウムを摂ることは無意味じゃないわ。筋肉の収縮や血液凝固、当然骨や歯の材料にもなるの。」


「くそつまんねぇ講義を寝ずに聞かされるなんて、令和の時代にこんな拷問が


「いいから黙って私に知識をひけらかされなさいっ!」


「カルシウム……。」


「zzZ……」




このあと、小1時間ほっぺをモチモチされながら栄養学……と言う名の白ちゃんの知識マウントに付き合わされるきはだであった。






あーかい部!(4)




あさぎ:投稿完了♪


白ちゃん:お、来たわね?来たわね!?


ひいろ:白ちゃんテンション高いな


あさぎ:というわけで白ちゃん先生の知識マウント回です


白ちゃん:ありがた〜く、お読み!


ひいろ:災難だったなあさぎ


あさぎ:きはだに言ってあげて


白ちゃん:おい誰が災難だ


ひいろ:まあ、良い睡眠導入剤だとは思うが


あさぎ:大変よく寝れました


ひいろ:何……!?寝たのか、白ちゃんの前で

ひいろ:よく寝させてもらえたな


あさぎ:今日のターゲットはきはだだったからね


ひいろ:なるほど、それできはだは反応しないわけだ。今ごろベッドか


あさぎ:体育の後の知識マウントは、今のきはだには早すぎたんだ……!


白ちゃん:人のこと拷問が何かだと思ってる?


あさぎ:はいファラリス先生


白ちゃん:だれが中世の拷問器具じゃ

ひいろ:さすが『鉄の処女』の異名は伊達じゃないな


あさぎ:ちょっwwwwwwひいろwww


白ちゃん:ちょっと、なにその変な異名!?


ひいろ:大丈夫だ。今考えたから


白ちゃん:他のところではぜっっっったい言わないでよね……!?

白ちゃん:先生のあだ名とかす〜ぐ広まっちゃうんだから


ひいろ:わかったよメイデン先生


白ちゃん:やめろやめろ


ひいろ:あさぎ出てこないな


あさぎ:ごめん、モーラさん介抱してた


ひいろ:介抱?


あさぎ:笑い転げて酸欠で殺虫剤くらったゴキブリみたいになってた


白ちゃん:ったくあの愚妹(いもうと)は……

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