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零時を取り巻く現状

いいサブタイトルが思い浮かびませんでした。

「なるほどね。 そんな事が……」


「アリスも下校時に動画を見て、これはいけないと思ってすぐにこっちに来たのです」


「ごめん、二人とも」


 彩音さんとアリスちゃんが話をしている傍らで、俺はアリスちゃんに膝枕されていた。

 彼女が俺の頭を撫でながら、今回の件を……、俺の長兄のやらかしを話していた。

 どうもアリスちゃんも下校時に不意にスマホで動画を見てしまったようだ。

 そこで、マホロバ内の寮に戻ってすぐに、転移でこっちに来たようだ。


(膝枕されて気付いたけど、アリスちゃんは制服姿なんだな……)


 絶賛膝枕中なので、仰向けになってるが、どうもアリスちゃんは学校の制服姿のままだ。

 彼女が通っている攻略者向けの一貫校の小学部の制服だろう。

 赤いブレザーに胸元のリボンが可愛らしくて似合ってる。


「大丈夫なのですか? ゼロ兄様」


 心配そうに俺を見つめるアリスちゃん。

 アリスちゃんと彩音さんが来るまで、長兄のアーカイブ動画によってショックを受けていたが、彼女の温もりによって次第に落ち着いてきた。


「ああ、アリスちゃんのおかげで落ち着いて来たよ」


「それなら良かったのです」


 可愛らしい声で、気遣ってくれるアリスちゃんに感謝しつつ、起き上がる。

 いつまでも彼女の膝枕に頼ってはいられない。

 

「でも、無理はしてはいけないわ。 今日の配信とかは休んだほうがいいかもね」


「そうですね。 マイッターの方にもその旨を書き込みます」


「なのです」


 流石に今の精神状況では、ダンジョンの攻略配信が出来ないという事で、彩音さんの助言通りに今日は配信を中止することにした。

 早速マイッターにもその旨を書き込む。


「っておいおい……」


「どうしたのです? ……って、ほわぁ!?」


「あらら……」


 すると、早速リプライが多数寄せられていた。

 多くの人が、無理はしないでという気遣いの発言だったのが救いか。

 多分、あのワンパン動画に思う所があるんだろう。


 余りにのマイッターのリプライの多さにアリスちゃんも彩音さんも驚く。


「それだけ、ゼロ兄様の攻略配信が他の攻略者さんの希望にもなってるのです。 とはいえ、今の状況では……」


「そうね。 あの甥が国家に喧嘩を吹っ掛ける宣言も動画内でしたのでしょう? 日本に残ってる多数の女神様が危険視してるみたいよ」


「でしょうね」


 どうやら、あの長兄はワンパンでダークドラゴンを倒した後、今の国が設定している攻略者の基準を破壊し、ダンジョン攻略者法をも否定したようだ。

 その上で、自分の持つ圧倒的な力を以て、国家に喧嘩を吹っ掛けたようだ。

 当然ながら日本や世界に残った多数の女神様も政府と同様に見ており、この長兄が危険だと判断したようだ。


「堅実な攻略で数を減らしているからこそ、エネミーがダンジョンから出られないようになっているのです。 あの男の思うがままになったら、理がさらに破壊されてエネミーがダンジョンから出てきて破壊されるのです」


「だから危険視し始めたのね」


「多くの女神様が動くのなら、あの長兄の対処は女神様達に任せたほうがいいのかもな」


 あの男と信者の願うままでいたら、エネミーがダンジョンから出てきて世界がさらに壊される。

 かといって、俺や公安などではあの長兄に歯が立たないのは確定的に明らかだ。

 なので、長兄の問題に関しては、女神様に一任する方がいいだろう。


「じゃあ、今日もゼロ兄様のアパートに泊まるのです。 美波姉様達にも伝えておくのです」


「あら、いいの?」


「美波姉様達もゼロ兄様を気に掛けているのです。 ゼロ兄様が、堅実な攻略配信を続けてくれているからだと思うのです」


「そうなのか?」


「そうなのです。 実はチーム飛鳥が属するマホロバ以外にも海外や他の企業でもゼロ兄様の攻略配信を見ているのです」


「うぇ、マジか……」


 なんと、チーム飛鳥ならまだしも、ステラちゃんが属するゲームメインの会社の他、色んな企業や海外の攻略者たちも俺の配信を見ていると言う。

 あー、流石にこれは自分のペースで配信が出来るか分からなくなってきたな。


「折角だし、その人達の力を借りて、バズっちゃえばいいのに」


「何でバズる必要があるんですか」


「あはは……」


 彩音さんもそれを聞いて何かを閃いたのだろう。

 だが、その手には乗らないぞ!

 今はショックを受けているが、俺はそれでもまったりしたペースで配信する事は諦めていない!

 国が見ている傍らで、これ以上バズる必要はないはずなんだ。

 多くの攻略者の希望になっているのであればね。


 そんな事を考えてる傍らで、アリスちゃんはスマホで美波さん達に連絡を入れている。

 スピーカーモードで通話しているので、声が丸聞こえなのだが、ワザとなのだろうか?


 内容からして、俺のアパートで泊まることに関しては、速攻でOKが出たようだ。

 で、転送で新たな寝間着やコスプレ衣装などを送るそうだ。


 寝間着は分かるがコスプレ衣装はなんぞ?


「さて、OKが出たのでアリスはゼロ兄様のアパートに泊まるのです。 明日は祝日なので学校はお休みなので」


「ごめんね、アリスちゃん。 零時君をよろしくね」


「もちろんなのです♪」


 彩音さんもアリスちゃんに俺を託すようだ。

 まぁ、彼女の決意を無為にするわけにはいかないしな。

 今日は、彼女に一緒に居てもらう事にしようか……。


「配信がお休みになった分、アリスと一杯楽しむのです♪」


「分かった。 アリスちゃん、ありがとうな」


「えへへ♪」


 なんだかんだで、俺を気遣ってくれるアリスちゃんの頭を不意に撫でてしまう。

 しかし、アリスちゃんは嬉しそうだ。

 ああ、可愛いなぁ。


 彩音さんが帰った後、アリスちゃんとゲームなどしてたくさん楽しむのだった。



次回は明日に更新します。

時間帯は未定です。


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