アリスちゃんと雑談お絵かき配信(後編)
「ほわぁ。 アリスの似顔絵、すごく可愛く描けてるのです♪」
「ちゃんと描かないと、すごく失礼だしね」
「こだわりが凄いのですっ」
《ああ、確かにスゴク・シツレイだよな、適当に描くのは》
《ダンジョン攻略配信の傍らで、ストレス解消ともう一つの収入の為にこういった配信も許可してくれる政府ってすげぇな》
《まぁ、基本的にダンジョン攻略者一本じゃ食えないしなぁ》
《しかし、ゼロの描くアリスちゃんの似顔絵、本当に上手いな》
《¥2000 これは確かにお金を払ってでも頼む価値はあるなぁ》
もうすぐアリスちゃんの似顔絵が描き終える頃、アリスちゃんが自分の似顔絵を見て感心している様子だった。
似顔絵なら、ちゃんと描く事が俺のこだわりなのだ。
そうしないと、モデルとなる相手にも失礼に値するから。
コメントの方にも続々と流れてきている。
たまにお布施付きのコメントも流れてくるし。
本当に、こういうもう一つの収入確保するように勧めてかつ、ストレス解消のためにも攻略配信以外の配信も認める心の広い政府は過去にいただろうかねぇ。
「よし、描けたぞ!」
「わぁっ、すごく可愛いのですっ♪」
《本当だ! すごく可愛い!》
《アリスちゃんの可愛さそのまんまだ!》
《再現度たけーな、おい!》
《¥10000 【美波チャンネル】 いやー、ありがとうね。 アリスちゃんの似顔絵、すごく可愛いよー》
似顔絵が完成したタイミングで、アリスちゃんは大はしゃぎし、コメントもさらに盛り上がる。
さらに美波さんが赤いお布施でお礼を言われた。
《いやー、嬉しそうにしてるアリスちゃん、可愛いな》
《いい仕事をしてくれたよ、ゼロは》
アリスちゃんが喜んでくれる様子に視聴者もほっこりしてるしな。
似顔絵を描いててよかったと思うよ。
「さて、アリスちゃんの似顔絵だけど、配信が終わったら、まずプリンターで印刷して、直接渡すよ。 また、メールアドレスを教えてくれればそれ用に添付して送るから」
「わぁっ! ゼロ兄様、ありがとうなのですっ」
《マジか!?》
《太っ腹だろ、ゼロ!?》
《アリスちゃん、歓喜案件じゃないか、これは》
そして、その似顔絵を配信終了後に印刷して渡したり、スマホのメールなどに添付して送ってあげる旨を言うと、さらにアリスちゃんは嬉しそうに両手をあげてはしゃぐ。
ああ、こういう仕草も可愛いなぁ、アリスちゃん。
コメントもさらに盛り上がってるし、時間はまだあるな。
「じゃあ、次は俺のイラストレーターとしてどんな絵を描いてるかを見せるために一人のキャラを描きますね」
《おおー!》
《それも楽しみだ!》
《¥3000 【STELLA.Ch】 そっちも楽しみデース!》
《¥3000 【KENJI】 アリスの似顔絵もすごかったし、仕事用のイラストもどんなのか楽しみだ》
その後も色んな人からのコメントが流れる中で、アリスちゃんと雑談しつつ別のキャライラストを描き終えた。
いわゆる萌えキャラだが、多くの視聴者からも好評だったのが良かった。
アリスちゃんにも可愛いキャラだと言ってくれたし、よかったよかった。
好評のまま盛り上がりを見せた、アリスちゃんをゲストに迎えた俺の雑談&お絵かき配信は無事に終わった。
約束通りに配信を切った後で、似顔絵をプリントアウトして直接渡しつつ、メアドを交換して似顔絵を添付してメールで送った。
嬉しそうに抱きついてくるアリスちゃんの温もりが忘れられない。
そして、その後は美波さんから頼まれたもう一つのお願いは、アリスちゃんを一泊させて欲しいと言う事だった。
今まで子供らしい甘えが出来なかったので、それを俺が受け入れる格好だ。
一緒にお風呂に入りたいと言ってきたのには驚いたが、結局一緒に風呂に入ってあげたし、その後も俺を抱き枕にするように一緒に寝るのだった。
アリスちゃんとの役所での出会いから、ここまで発展するとは思わなかったが、色々ありすぎた俺にとってはいい時間だったと言っておこう。
「これからもよろしくなのです、ゼロ兄様」
眠る前のアリスちゃんのこの発言。
彼女の過去を知った身としては、一緒に居れる時間は一緒にいてやらないといけないなという決意をするのに十分だった。
こっちこそよろしくな、アリスちゃん。
次回は明日に更新します。
時間帯は未定です。
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