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第7話
まるで、いつか視た四角い箱の中だけの世界が今、目の前に広がっている。
それは冷たくとても静かで、味気ない程あっさりとしていた。
そう、現実は冷ややかで味気ない程淡々としていた。
震えが止まると体の力が抜けて瓦礫の山に寝転んだ。
もう駄目だ。
指先すら動かない、痛みすら感じなくなってきた、目蓋が酷く重く感じる。
(そーいえば、こんな事になる前授業中で、眠くて眠くて目が開けられなかったな。
これは実は夢なんじゃないか?
あの時眠りに落ちて、ほら、肩を揺さぶられてる!
生きてるか?って、・・・・・・起きてるか?だろっ?
聞き間違えた。やっぱり寝てたんだな。
体持ち上げられてないか?
誰だよ、寝てる奴持ち上げるなんてどうかしてる。)
頭の中の独り言とは逆に意識は遠退いて電気を消すようにフッと消えて停電になってしまった。
窓から吹き抜ける風。
カーテンが揺れた向こう側に見慣れた景色が見える。