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第5話

手を動かし始めてからどれだけの時間が経ったのだろう。


限界をとっくに迎えた身体が、不安で心も折れそうになった時、指の先が小さな瓦礫を押し出した。


そこから光が漏れると、身体が脳の指令を待たずに一気に動き出した。


光の先に手を伸ばす様に、瓦礫を掻き分けてかきわけてカキワケテ。


頭が通れる位の大きさに広がると、声にならない声をあげながら、両手で体を引きずり出す様にして暗闇の世界から抜け出した。


ついさっきまで生活していた世界の面影が無いほど、廃墟と化していた。


それはまるで、映画の世界の話で自分とは全く無縁のはずの光景だった。


指の爪が剥がれて血が滴っている事にすら気がつかず、茫然と立ち尽くした体は膝から崩れ落ちていった。


「・・・・・・どうなってんだ」


さっきまで授業をしていた教室、めんどくさそーに通っていた学校、よく立ち読みしている通り道のコンビニに、通る度に毎回吠えてくる犬。


嘘のように全て崩れ去った瓦礫に埋まって、生命の息吹が欠落した世界が構築されていた。


そんな中、いつも遠くに見えていた山がまるで削り取られた様に消えていた事に妙な違和感が感じられた。

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