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第4話
恐怖に堪えきれず動き出した者、堪えきれず動けない者の二種に分かれている様だった。
机の下に隠れている人間はどのくらいなんだろう?
震える身体を捻って見渡すと、30人いたクラスメイトは5人しかいなかった。
うずくまって顔すら上げられてない奴らを見渡すと自分以下の臆病な人間しかいないんじゃないかと思った。
少し経過した時間が気持ちの片隅にほんの少しだけ理性を取り戻した瞬間、さっきよりも大きな振動が押し寄せてきた。
机の上に大きな衝撃が伝わり、大きな音と共に暗闇が押し寄せてきた。
重たい目蓋が開くと、静寂と暗闇の世界だった。
何も見えない、何も聞こえない。
身体は至る所が痛み、瓦礫と思われる物が身体を覆っている重みを感じたが、なんとか体が動くスペースがあった。
両手を少しずつ少しずつ動かした。
まるで化石を土から掘り起こす様な繊細な動きしか出来ず、焦りが掻き分けるスピードと反比例して、大きく膨れ上がっていくばかりだった。
粗く瓦礫を掻き出す指が痛みを感じ始めた。
それでも、続けるしかない。
今はそれだけが唯一確かなことだった。