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最終話
・・・・・・全く別世界の話で、信じる信じないの前についていけなかった。
しかし、男はまっすぐとこっちを見て真剣な眼差しで立ち尽くしていた。
背を向けて壊れたドアを踏み越えて、階段を一歩一歩登っていった。
地上に出ると砂埃が目に入り、目が霞んだ。
上空に細まった目を向けると空一面を覆っている雲の向こうに何か動いている気配を感じた。
この世界は何の為に存在しているんだろう。
自分は何の為に生きているんだろう。
この話が本当だとしたら、俺達は何者かの手のひらの上に転がされていたんだ。
何代も何代も前から紡がれた人類の歴史は水槽の中で1日過ごした魚のようなものだったのか?
そんな筈はない。
そんな筈はない。
こんなボロボロの世界だから必死に純粋に生きてみよう。
そしたらきっと求めていた何かが見えてくる筈。
空を見上げると、雲の合間が視界に入り、振り向いて走り出すと、細めた目を擦り走ってくるララを抱きしめて、地下のシェルターへと消えていった。




