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第23話

それを狙う様に巨大な手が人だかりの上にかざされると、吸い込まれるように人間が宙に浮いてさらわれていった。


生きている人間は右手に、死んでいる人間は左手に集められているようだった。


まるで悪い夢を見てるかの様だったよ。


命からがらシェルターに逃げ込み、僅かに覗いた時間の中に起きた事だが、一連の状況を見る事ができた。


間違いなくあれが元凶だ。


あの一瞬の出来事を見て思ったよ。


俺達は養殖されている魚の様にあれに飼われていたんじゃないかと。


そして、今回収穫の時期でもきてしまったんじゃないか。


最初の地震から一週間の間に4度地震があった。


ほぼ同じ時間に地震の大きさは違ったが、それは発生源の場所の違いだろう。


同じ時間に定期的に発生していた所から察するに、自然に発生している地震だとは思えない。


間違いなくあれの仕業だろう。


もうすぐ・・・・・・時間だ。」


すると、体に揺れを感じ、壁が軋む音が耳にヤケに残った。


「ここに関してはもう人間が少ないから、やはり狩りの場所がだいぶ離れたようだ。


最近はこの程度の揺れしか起きていない。

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