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第18話

一人になるのがこんなに怖いという事に気付くには遅かったみたいだ。


一縷の望みを飲み込んで、一歩また一歩時が進んでしまった過去へと歩き始めた。


現実離れした壊れた現実にまるで映画の世界へと入り込んだような錯覚が気を紛らわせた。


いつも歩いた道の筈が歩き慣れなかった。


周りを見るのが辛くて、進む足元だけを見て歩き続けた。


ピタリと止まった足を暫く見ていた。


そして、力を込めた拳の指から血がにじみ、唇を噛みながらすっと顔を上げた。


同じだった、周りの景色と。


もう忘れてしまいそうだった、原型を。


玄関だった瓦礫を踏み小さく「ただいま」と呟いた。


ここまで生き物の存在感を感じられないと悲しささえ一緒に連れて行かれた気分だった。


「母さん・・・・・・父さ・ん・・」

今出せる精一杯の声で叫びながら、瓦礫の山を崩していった。


指先の包帯が真っ赤に染まり、空は黒く表情を変えていった。


少しだけ最初の形が崩れた瓦礫の山に倒れ込むと、体はもう動かなかった。


それでも目からの涙だけは止まらなかった。


「帰るぞ」


声に反応して力無く振り返るとララが覆い被さってきた。

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