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第12話
ララも目を覚まして、ベッドから飛び降りると、ドアの方へ走り出し、振り返り待っていた。
ベッドから起き上がり、ゆっくりゆっくりとドアの方向へ不器用に歩いていった。
倒れているドアを踏みつけながら越えていくと、部屋から薄暗い光が差し込んで、細長い上り階段が伸びているのが見えた。
慣れた様に軽やかに登っていくララを見上げながら、壁に手を付いて一歩、一歩階段を確認する様に登っていった。
ララが登りきった階段の上をこじ開ける様に天井を押し開けると、強い光が階段に差し込み思わず目を伏せた。
光の外で吠えるララに急かされながら、階段を登るスピードを早めた。
光の外に顔を出すと、一応室内だったであろう面影が残っている部屋だった。
崩れた壁と天井から外の景色が見える。
4人は座れそうな長いソファがポツンと景色に浮いている感じで残っていた。
そこに座っている白衣の男にララがすり寄って撫でられると満足そうな顔をしていた。
「一体何が起きたんでしょうか?」
呆然と荒廃している世界を眺めている姿を見て、男はチラッと目を合わせると、ララを撫でながら一点を見つめて黙っていた。




