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インスタントフィクション 食わず嫌い

作者: 宇山一博

 高谷はひじきの煮物を食べた。

 水上はひじきの煮物の大豆をお皿の端に寄せた。

 高谷は食べろよと水上を茶化した。

 水上は種を食べる主義はないと言った。

 高谷は米だって種なんだぜと自慢した。

 水上は米は種なんかじゃないと笑った。

 井上が米はイネ科の一種でウンタラカンタラとうんちくを並べた。

 高谷はうんざりそうに聞く。

 あたしはしゃけを一口食べて米を口に運んだ。

 高谷がお前、ひじきの煮付けを食べてないとあたしに向かって文句を言ってきた。

 あたしは得体知れない黒を食べたくないし、種だって食べる習慣を持ち合わせてないと言った。

 高谷があからさまに眉間に皺を寄せる。

 あたしはなに? と問う。

 高谷がお前食ったことないくせによくそこまで言えるなと言った。

 水上はあたしと高谷をなだめてから端に寄せた大豆を食べた。

 高谷が偉いぞと水上を褒めた。

 井上が大豆にはイソフラボンがウンタラカンタラとうんちくを並べ始め、高谷がまたうんざりそうに話を聞く。

 高谷がいいから食えってとひじきの煮付けのお皿をあたしに差し出した。

 あたしはやめてよと言ったが今度はひじきの煮付けを箸でつまみ、口元に近づけた。

 水上がお熱いねお二人さんと言った。

 高谷がちげーよ、福田は食わず嫌いだからとごにょごにょと呟いて、水上がなに言ってるのかわからないと笑った。

 あたしはその箸に食らいついた。

 高谷がどうだ? と俯いて感想を聞いてきた。

 あたしは初めてだけど、まあ悪くないかもねと、高谷の箸の味の感想を言った。

 高谷はだろっと笑った。

 井上は依然ひじきと大豆のうんちくを並べ、3人でため息を吐いた。

 

400文字超えてすみません。

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