コント 悪魔契約
悪魔「人間よ、我と契約しろ。さすればお前に約束された将来をさずけよう。富も名声も金すら思いのままだ」
人間「契約するにしても契約書はありますか?」
悪魔「え? 契約書? 一応あるが」
人間「見せて下さい」
悪魔「これだ」
人間「悪魔にも契約書とかあるんですね」
悪魔「まぁ、後で魔王に契約を取れたか報告しないといけないからな。にして契約書の提示を求めた人間は、お前が初めてだ」
人間「私、弁護士をしていまして契約にはうるさいんです」
悪魔「え? 弁護士なの?」
人間「はい。知ってて契約を持ちかけたんじゃないんですか?」
悪魔「いや、契約のノルマをこなすことで焦ってたから誰でもいいかと思って」
人間「悪魔も世知辛いですね」
悪魔「気を使ってくれて逆に申し訳ない。我輩には、まだ四歳の悪魔っ子がいてな。家族の為にも営業成績を伸ばさならければならない」
人間「四歳ですか? 可愛い盛りですね」
悪魔「それはもう、可愛い過ぎてまる飲みして食べちゃいたいくらいだ。ブワハハハ! デビルジョークだ。面白いか人間?」
人間「まぁ……」
悪魔「『まぁ』だと? ドライな奴め」
人間「あの、これは何ですか?」
悪魔「どれどれ」
人間「文字がノミ虫みたいに小さいんですよ」
悪魔「よく見えないな……」
人間「あなた、今この文字読む為に眼鏡をかけましたね」
悪魔「な、なんだ。悪魔が眼鏡をかけてはダメなのか?」
人間「これ、よ~く見ないと見落としますよね?」
悪魔「ちゃ、ちゃんと読めば見落とさないだろ」
人間「現にあなたが眼鏡をかけたということは、普通では見えないほど小さいということです」
悪魔「ひ、人の揚げ足取って何が面白いのだ。人間!」
人間「あなたは悪魔ですよね? 人じゃないでしょ」
悪魔「差別だ! お前は悪魔を差別している! 我輩は良い悪魔だ!」
人間「悪魔が自分で良い悪魔とか言うんですね。フフフ……」
悪魔「何、笑ってんだ? 何が面白いのだ。はっきり言ってみろ!」
人間「それよりも、この小さい文字。これはどういうことですか?」
悪魔「話題をそらすなよっ!」
人間「話題をそらしてるのはアナタだ。"契約完了しだい契約者の魂はいついかなる時でも、魔界で接収できることを容認する" これは何ですか?」
悪魔「そそそ、そんなこと、かかか、書いてあったたたたたたぁ?」
人間「誤魔化しが下手くそだな。これ私が魂を悪魔に取られても、何も文句言えないって話ですよね?」
悪魔「そう受けとっちゃう?」
人間「私の魂を騙し取ろうとして、こんな小さい文字で書き加えているんですよね?」
悪魔「ん? んー、それはそのー、あのー……@%$&¥」
人間「はっ!? なんて言いました? 声が小さくて聞こえませんよ!!」
悪魔「あのーそにょーあにょー……ハハハ」
人間「何、笑ってるんですか? 何が面白いですか? はっきり言って下さい!!」
悪魔「あぁぁああっ! 謝ればいいのか! ん? 謝れば気がすむんだろ」
人間「詐欺行為を認めるのですね?」
悪魔「はいはい。騙そうとしましたぁ~。でも騙される方が悪いから気にしないけどねー。平謝りですー。ごめんにゃちゃいー」
人間「まぁ、多めに見ましょう。最初っから契約する気はなかったので」
悪魔「な、なんだと?」
人間「悪魔と契約する気はありませんでした。だって悪魔だし」
悪魔「人間の方が悪魔より怖い!」