表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/21

アグレ石鹸

「それ何処で買ったんだい? 最近、その石鹸を良く見るから気になっていたんだよ」


通りを歩いていた女性は、知り合いの手に握られていた包みを指差す。


「これかい? これは内緒なんだけど、とある場所の一角で個数限定で売られているのさ!場所を教えるけど、役人には内緒だよ」


そう告げると女性は足早に立ち去った。


アレグ石鹸

数年前にクボ大平原で販売されていると噂になったが、石鹸だけであんな場所に行く者がなく。立ち寄った者が言うには、店は傾き倒壊していたらしい。


それから数年後、密かにブームとなる。


通常この世界では入浴する文化はなかったが、石鹸により湯を沸かし、身体を洗う事が当たり前となりつつあった。



「こんにちは! こんにちは!」


ハーメルンの港町の外れにあるスラム街、そこに他の店舗とは明らかに違う建物があった。


その建物は明らかに日本の昭和と言った感じの建物で、店前にはザルに入れた野菜や果物が置かれていた。


「タナベさん居るかい? ちょっと頼みたい物が有るんだけど!」


玄関口から入った居間に、ゴロンと横に成っている男が手を挙げた。


「いらっしゃい!」


「いたいた、良かったよ。それで頼みたい物って言うのは、、、」


タナベはこの街のスラム街に居つき店を開けていた。


開けると言っても八百屋は自動販売されているので、店舗=家と言った方がよかった。


「うちのアイリがスライムの毒に当てられたんだ、街で買うクスリは高いしタナベさんの所に来たと言う訳さ、、、」


ガサゴソと道具箱をあさる音がする


「だったらこれだな、ママロンS! こいつを吹きかけて、この包帯で巻いて置け」


タナベは簡単に回答し、金は貰わず治療具を渡した。


「いつも有難うよ、恩にきるよ!」


アイリと言う名の母親なのか、慌てた様子で店を飛び出していった。


それを見送りながらタナベはスキル欄を眺め、売れ行きの動向を探っていた。


初めてこのスラム街に来た時、うずくまる子供が彼方此方(アチラコチラ)いた。


ジメジメとしたイメージが強く、病気が蔓延マンエンしているように見えた。


それをタナベは余った野菜に蜂蜜ハチミツを混ぜ入れ、はちみつ鍋を考案し子供達に分け与える。


大した事はないが、これは彼が日本人だったのかも知れない。


困っている者がいれば、手を差し出してしまうと言う事に...


それからスラム街の者たちと次第にうち解けた。


そんな時、一人の冒険者がタナベを訪ねてきた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ