表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/21

兆しのちらし

クボ大平原の朽ち果てた建物に触れた瞬間、息を吹き返したかのように再生した。


その中に男が中に入り込んだ瞬間、忽然コツゼンと建物がその場所から消えた。

「いらっしゃい! いらっしゃい!」


にぎやかな声が辺りを埋め尽くす、ここハーメルンの港町は今日も活気にあふれていた。


(なんだよ!こう言う事だったのか、それならそうと初めに言って欲しかったな!)


男は誰に言うわけではなく独り言を呟き酒場の戸を開いた。


ガヤガヤガヤガヤッ!


酒場を見渡すとイカツイ顔をした者たちが酒を飲み交わしていた。


「オッ、来たなタナベ!」


店のオヤジが声を張り上げた。


「タナベ、今日は何しに来た」


露骨に酒場の親父が話を切り出して来る。


「いやちょっと情報収集だよ!」


「おっといけねー忘れてた。こいつを売って貰って助かったぜ!」


明らかに此方の世界の物とは思えない物をカウンター越しに出す。


「いいぜ、何個でも売ってやるよ!」


その小瓶は以前、店の子供が夜泣きが凄いと聞き売ってやった蜂蜜だった。


「そうかい、じゃあまた一つ頼むわ!」


酒場の親父はタナベに金銭ゼニーの入った袋を渡す。


「毎度、どうも」


タナベは袋をポケットにしまい酒を飲みだした。


アレから俺は色々な街で情報を集め、次のスキル候補を探していた。


通常スキルといえば、経験値とレベルアップによりその能力が開花されて行くものだが、俺のスキルは違っていた。


 以前のスキル「八百屋」は形・本体として残るが、その販売能力は未だに続き自動販売をしている。


力や体力・ステータスと言った面を鍛え強くするならば、冒険者ギルドでの登録が一般的だ。


販売を目的とした環境の構築は、商人ギルドに入る事もなく利益が蓄積されていた。


そう今現在は、シェア拡大を想定した情報収集だった。


「くっそう、もう少しでゴルゴルを倒せたのによ!この剣がもう少し切れ味がよかったのによ」


愚痴っぽく話す男の声が聞こえてくる。


「なにを言ってるんだか、それはアンタが欲を出しすぎて周りを見てなかったからだよ」


「でもよう、ゴルゴルの鱗は高く売れるから、もう少し欲しかったのは確かさ、、、」


男はポーチの中にギュウギュウに押し込めていたのか、ゴルゴルの鱗をテーブルの上に出した。


「そんなに取って置いて、よくもまだ欲しいとか言うもんだね」


赤毛にポニーテールの女性が鱗を集め、カウンター横にある買取所に持っていく。


「これだから女は怖いよ」


あきれ調子に酒を飲む男に仲間の連中は賑やかに笑っていた。


 既にタナベは「兆しのちらし」を50件ほど持ち、八百屋の様な色々な物を販売しているのではなく、一つのジャンルに限定し販売する兆しの手法で、この町・この世界の流行り品を模索し手掛けていた。


キザしのちらし」

:自動販売する手法で、在庫を持たずとも販売が出来る。

・一つの商品を説明し購入させる手法で、当たれば莫大な財を成す。

・当たらない時もある、その辺りは気を引く売り文句などを

・商店街などの人の集まる場に現れ販売を促す。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ