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裏切り

ガシャガシャガシャガシャ!


鉄格子の馬車が罪人を運び護送する。


ガシャガシャン!


時折、鉄製の檻に頭を打ち付け、男はなぜにこう成ったのかと考えていた。


「今日もいい天気だ。商品を並べて開店の準備をするか!」


大平原の真ん中に一店舗だけ八百屋(ヤオヤ)があった。


そして今日もユンピョルが遠巻きに座しているだけに思えた。


「オイ!オイッ!誰かおらぬか、此処はパウダー王国の領土と知り店を開く者か?」


いきなり玄関先から大声で叫ばれ玄関先に出てみると、数日前にいた女騎士と同じ鎧を着た八百屋を取り囲んでいた。


それから店に入り込まれ、店の物は王国の物と言い俺事(タナベ)は無許可営業罪を問われ、鉄格子に放り込まれたのだった。


(あの女騎士に土産(セッケン)なんぞ持たすんじゃなかったよ)


田辺は遠ざかって行く八百屋を訝しげに見ていた。


それから数日、檻馬車に揺られ護送され、目の前に大きな屋敷にある街に到着した。



「なぜ御主が牢に入れられ、罰せられるか分かるか?」


先程から現世でも来た事がない法廷の様な場所で、後ろ手に縛られ一方的に罪を押し付けられていた。


「その者、許可無しの罪と密輸の罪の両方が掛けられておる。証人をこれに!」


その場に髪を下ろした女性が立ち声を上げた。


「はい、この方で間違いありません」


騎士の鎧を着ていないが、何日か前に来たビジットだった。


手を下ろす裁判官に女性は椅子に座り判決を待つ。


「それとじゃ、、クボ大平原になんの用があり、あの様な物を得れたのか答えよ。答えに寄れば罪を軽くし、、、」


裁判官がこの言葉を呟いた時、なにが原因で捕まったのか一瞬で理解した。


これまでの時間、自分に非が無いと楽観的に考えていた田辺(オレ)だが、言っても言わなくても自分の未来が終わっている事が分かった気がした。


「口が固いやつだ。それでは、この者を百叩きの刑とし禁固二年を言い渡す」


一方的な裁判は終わり田辺(オレ)は、牢に入れられ百叩きの刑を受けるのだった。


全てが順調に行くのはゲームの中だけであり、やり直しが出来るのもゲームの中だけなのである。


事故にあい異世界に転移した事からは考えられない、底辺からのスタートだ。


二年の歳月を生きてきた牢獄の扉が開け放たれ、田辺はスタート地点であるクボ大平原に歩みを進めた。


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