表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/21

大草原のちっぽけな八百屋

「いらっしゃい! いらっしゃい!」


「今日は大根が安いよ! 人参もお買い得だよ!」


そんな掛け声も虚しく、大平原に一軒の八百屋が建っていた。

この異世界で来て既に十日ほどたっていた。


俺ことタナベは、ちょっとした事故で体を失いこちらの世界で生きる事になった元日本人だ。


えっ?それでなぜに八百屋(やおや)だって?


これは俺の能力: スキル・八百屋


何故に八百屋とか聞かれても、この能力は思いの外いい感じだ。


そりゃそうでしょ?

スキルを発動すれば店舗が現れる。

これが日本国ならなんの事はないが、異世界だぜっ異世界!怖いし、危ないじゃん!


広大な平原での深夜とか、ガクガク ブルブル


ユンピョルが群れをなし徘徊している


ハイエナの様な肉食獣だよ


そしてこの数日、この能力を把握する事に夢中になっていた。


店舗の陳列棚には、野菜が三種類ありザルに入れられていた。


これは販売と言う意味らしく、何処かの町の一角で店舗がオープンされていると言う事だった。


野菜は三種類!


・ニンジン

・ダイコン

・ハクサイ


なぜと言われれば分らないが、これが一日に三個ほど出現し販売が出来た。


始めの三日は全く売れなく、どうしたものかと思っていたが、それを過ぎると売れだし金銭(ゼニー)となったのだ。


そのお金は一日の最後に売り上げとして計上された。


このスキル八百屋には、キッチンと風呂場が設置されている。


これには驚いたね。


蛇口から水が出るし、コンロでは火がつき調理が出来た。


それを考えれば至れり尽くせりなスキルと言える。


空腹は売れ残った野菜を茹でては腹を満たしていた。


スキル欄には拡張わくが多く、金銭を使いどんどん商品や販売枠が増やして行ける事が分かった十日間だった。


よく来たね。この世界は現実世界では起こり得ない事が起こる異世界・別世界!


君の肉体は想定(ソウテイ)を反した力により、こちらの世界の扉を解放した。


そして君の国に伝わる職業を君の力とし、この異世界で生きていく事を認めるよ。


「じゃあ頑張ってね」


簡単に手を掲げ挙げた先に女性らしき姿が見えた。


空気を切り裂き空間を飛び越えワープする。


気が付けば広大な平原が広がる世界に舞い降りていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ