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隠居の意味

翌日。

また王様がやって来た。


「ヒマなんですか?」


おっと、本音がつい出てしまった。

でもそう思うよな。

日本で総理大臣がちょこちょこ泊まりで出掛けてたら問題になるぞ?


「いやいや、ヒマではない。忙しいぞ?」

「では来なくても良いでしょう?」

「デスラットを討伐してくれた功労者に会いに行っても、誰も文句を言わぬよ」


そりゃそうだろ。

それに文句を言う度胸のあるやつは居ない。

領主が集めた兵より強いんだから。


あっ、それで思い出した。

確か5人程、クビにしたってシロから聞いたぞ。

それもあって忙しいのか?


「そう言えば、シロに文句を言った5人をクビにしたと聞きましたけど」

「正確には隠居だよ。つまり『爵位は残すが次代になれ』という事だ」

「え~と、違いが判りません」

「クビだと、最悪で領土没収・爵位没収・財産没収となる。

 今回の場合、領土没収はしたが、爵位と財産は守られる。

 ただ、隠居したので、財産は次世代の許可無く動かせないがな」

「なるほど」

「今まで次世代にどのような教育をしてきたかも重要になるぞ。

 今は爵位を継いだのだから、爵位にあった行動が求められる。

 教育を疎かにしていたら、しなくても良い失敗をするだろうな。

 そうなった場合、今度は本当にクビだ」


あ~、判る。

ラノベでよくあるヤツだ。

『俺は侯爵家の息子だぞ!』と威張ってるバカね。

確かにそいつが爵位を継いだら、すぐにクビになりそうだわ。

教育って大事だね。


「理解出来ました。

 で、そんなに忙しいんですか?」

「5人も纏めて隠居させたからな。人手が足りない」

「それらの子供を使ったら?」

「無理だ。実践経験が無い」

「いや、誰も最初は無いでしょ」

「いや、普通は緩々と世代交代をするので、それまでに自分に付かせて実践して見せる。

 それを見て覚えるのだ。

 今回は急だったので、それも出来ていない」

「その人達がサボってたのもあるんでしょ?」

「……それは否定できない」


だろうな。

だって民の事を考えてない人達だもん。

自分の子供にまともな教育してるとは思えない。

せいぜい偉そうにする方法を教えたくらいじゃないか?


「それで、人手はどうするんです?

 言っておくけど、俺は城の業務なんかしないよ?

 会計の仕事は受けてるけど、あくまで帳簿を付けてるだけだからね?

 運用とか無理だから」


異世界でのお金の運用法なんか知らないわ。

ラノベでも金の増やし方なんか、誰も書いてなかった。

せいぜい、宝石を買うとか良い武器を買って金になるモンスターを倒すくらい。

国を作る話もあったなぁ。

でも会計とかは出来る人に任せてた。詳しくは書いてない。

日本と同じに考えたって無駄だしなぁ。


「ま、それは断るだろうと思っていた。

 だが、何か良いアイデアは持っていると思っている。

 何か良い手は無いか?」

「いや、良い手って言ったって……教育?」

「教育とは?」

「教えて育む事。ウィキより。ウソだけど」

「ウィキ? いや、言葉の意味を聞いたんじゃない」

「あぁ、冗談ですよ。

 え~とですね。普通に子供を集めて勉強させるって事ですよ。

 今すぐには解消出来ないですけど、未来では活躍するようになるでしょ」


ラノベでは、まずこれでしょ。

で、断られる。


「……それは無理だ。

 どこも子供は労働力だ。働かずに勉強しに来いと言っても無理だろう」


ほらね。

これくらいは判る。

で、俺は昔から思ってた事があるんだ。

それを思い出したので提案してみようと思う。


「働いて無い人を使いましょうよ」

「そんな者はおらん」

「そうですか? シロ、城下町で見なかったか?」

「見ましたよ」

「やっぱり。定番ですからね」

「何の話だ?」


俺は溜めてからドヤ顔で言ってやった。


「スラムですよ」

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