シロの回。ドラゴン編・その5
『シロの回。ドラゴン編・その5』
朝になったので、ギルドに行きますか。
報告と、入手した尾や羽を売りたいですし。
あぁ、勿論主用に1つづつは残しますが。
「あっ、シロ様!」
「おはようございます、シャティさん。ギルドマスターは居ますか?」
「はい。
えっ? って言う事は……?」
「はい。依頼を終わらせてきました。その報告です」
「わわわ判りました。こちらへどうぞ」
シャティさんと共にギルドマスターの部屋に行きます。
「失礼します。シロ様が依頼完了という事なのでお連れしました」
「へっ? 依頼って昨日の? マジで?」
「はい。マジです」
「え~と…………ドラゴンは?」
「尾を8回、羽を左右1枚づつ切り落としたら飛んで逃げて行きました」
「………………本当に?」
「はい。今持ってきているので出しますか?」
「ここはダメ!! じゃ、じゃあ倉庫でお願いするよ」
そのまま皆で倉庫に移動し、尾を7本と左の羽を出しました。
「…………うわ~。マジだ」
「初めて見ました……」
「これで納得してもらえましたか?」
「したよ! って言うか、シロさんを疑ってたんじゃないんだよ。
切ってもすぐ再生するドラゴン相手だから、逃げたというのが信じられなくてね。
切り落とされた部位を食べて自身の栄養にもするらしいから、部位が残ってるのも不思議だったんだ」
自分だった物を食べるのですか。
さすが爬虫類。脱皮した皮を食べるのも居るらしいので、納得出来ます。
「痛さで転げ回っていたので、1つも食べられていませんよ」
「い、痛さで……? ち、ちなみにどんな攻撃を?」
「クロが噛み千切りました」
「そうですか……。子犬が噛み千切ったんですか。そうですか……」
あれはなかなか見事でした。
帰ったらまた主に録画を見せてもらいましょう。
「それで、これらは買い取って頂けますか?」
「買い取りたいんだけど……お金が足りないわ。
とりあえず尾を1本預けてもらえないか? 買い取り先を探すから」
「良いですよ。では残りは仕舞っておきます。必要な時に言って下さい」
「ありがとう。それで依頼完了の話なんだけど」
「はい」
「さすがにギルドも『これでドラゴンは居ません。薬草を採ってきてもOKですよ~』とは言えなくて。
なので実力のある冒険者を派遣して確認させたい。
確認後に依頼完了となる……んだけど、良いかな?」
「別にお金が必要では無いので。後日でも問題ありません」
「そう言ってもらえると助かるよ」
「普通は言わないのですか?」
「ほとんどの冒険者は報酬が目当てだからね。
『確認してから』なんて言ったら『信用出来ないのか?!』って言い出す。
普通の依頼なら確認なんかしないんだけど、さすがにドラゴン相手ではね」
「なるほど」
「……それで、追加の依頼をしても良いかな?」
「何でしょう?」
「実力のある冒険者に確認に行かすんだけど、万が一ドラゴンが居た場合ヤバい。
なので陰から見守って欲しい。ドラゴンが居た場合、また戦闘になるけど……」
ドラゴンと戦闘出来る程の冒険者が居ないのですね。
しかし付いて行くとなると、長期の仕事になります。それは問題です。
「それは構いませんが、毎日夜には帰りますよ?
それでも良ければ受けますが」
「えっ? 帰るの?」
「ええ。外泊する気はありません」
「……わ、判った。それでOK。
冒険者には夕方になったら絶対に進むなと言っておくよ」
新しい依頼です。
おっと、今朝主に聞いてこいと言われた事がありました。
「あそこに生えていた薬草ですが、どんな効能があるのですか?」
「あれは『アサマ草』と言ってね。加工すると部位回復薬になるんだ」
「部位回復薬?」
「例えば指を切り落としてしまったとか。そういう人が使うと指が生えてくる。
その代りに生命力をかなり使うけどね。安静にしていれば1ヶ月で元通りになるんだよ」
ドラゴンの尾みたいですね。
……もしかすると、ドラゴンの回復力と関係があるのかもしれません。




