魔法使いがあらわれた!
「粛清って、どんな規模だったんです?」
「我が国の貴族の3分の1が、何らかの処分を受けました……」
ダメな国!
3分の1もダメな貴族が居たって事じゃないか!
しかしそれでも決行するって、なかなかの勇気だ。
クーデターが起きても不思議じゃない。
……そこには関わらないようにしよう。
もう関わってるけど。
これ以上は、って意味だね!
「で、シロとクロに退治された、あの兵士達はどうする?」
「順々に連れて帰って、処分です」
「処分?! 内容を聞くのが怖いな……。か、軽いのだと?」
「軽い罪ですと……強制労働ですね」
軽くて強制労働か……。
重いとクビチョンパかもなぁ……。
こちらには全然被害が無いから罪が重く感じるけど、そういう事じゃないのだろう。
「じゃ、じゃあお任せします」
「ありがとうございます!」
「それで、要件は以上?」
「はい! っと。そう言えば陛下から言われていた事がありました」
「何かな?」
「……『今年度の会計もよろしく』だそうです」
「それは仕事の依頼だから、別に怒らないよ。ビクビクしなくても大丈夫だから」
「そ、そうですか? すみません。シロ様やクロ様の戦いを見た後ですので……」
「ああ、俺が怒ってけしかけると? 無い無い、大丈夫だから。
結界に入れるような人に襲いかかるような事は無いよ」
「……そうですか、安心しました。では、これで失礼します!」
「あっ、帰るの?」
「ええ。早く連れ帰らないと死ぬような者も居るようなので」
あっ、そこはすみませんでした。
輸送、頑張って下さい。
国の騒動もこれでひとまずは解決か。
貴族もしばらくはバカな真似はしなくなるだろうな。
と、のんきに生活する事2週間。
突如静寂は破られた。
……っていう程の事じゃ無いんだけどね。
ただ単に来客があったってだけ。
インターホンを連打するんだもん。
うるさいよね。そしてウザいよね。
緊急の用事なんだろうか?
監視カメラで見てみると……おおっ! 見事な魔法使い姿!
三角のとんがり帽にローブと杖!
ザ・魔法使い!
挨拶をせねば!
「はいはい。魔法使いさん、どのようなご用件で?」
「私の名はイグルス! 全ての魔法を操りし男!」
「……は、はぁ。それで?」
「若くして全ての魔法を網羅し、天才と呼ばれし男!」
「…………」
なんだろう?
中二病の人かな?
セリフを言うのにも、いちいちポーズを取ってるし。
そうしないと喋れない病気にでもかかってるのか?
「その、イグ……さんが、何の用です?」
「イグルスだ! 覚えろよ! 簡単な名前だろ?!」
「すみません。で、その、イカルスさんが何の用で?」
「ウルトラ怪獣みたいな名前じゃない! イグルスだ!!」
何でウルトラ怪獣を知っているのだろうか?
流行ってるのか? 有名なのか?
それともこちらの世界には本当に居るとか?
今度神様に聞いてみよう。
「それで何の用です?」
「とうとう名前を言うのを止めやがった!
……まあ良い。要件か。それはこの結界だ!」
「結界?」
「かなり強固な結界と聞いた! それを破る為に来たのだ!」
うん、面倒な人が来たね。




