シロの回。冒険?4
『シロの回。冒険?4』
壁を走り、王の前に着地します。
「こんにちは。主に託された物の完成品を持ってきました」
「ね、猫?! いや、モンスターか?!」
「排除しろ! 陛下、こちらへ早く!!」
ナイフが飛んできますね。
隠れていた者が投げて居るようです。
当たっても問題無いでしょうが、万が一もあるので弾いておきましょう。
爪を出す程では無いです。しっぽで叩くだけですね。
「尾で弾くだと?! くそっ! 強敵か!」
「近衛兵はまだか! 早くしろ!」
騒がしいですね。
敵対しに来たのでは無いのですから落ち着けば良いでしょうに。
「落ち着け!!」
「へ、陛下?! しかし……」
「問題無い! 知り合いだ!」
「し、知り合い…………?」
「シロ殿と言ったかな。久しぶりだね」
「お久しぶりです」
「して、今日は?」
「書類が出来ましたので、お届けに」
「おや? 使者が居て、その者が持って帰るはずだったが……」
「主に無礼を働いたので、まだ宿で寝ているのでは?」
「……なんとなく理解した。うちの者が無礼を働いたようで、すまなかった」
「へ、陛下!! 猫に頭を下げるなど!!」
「こちらの使者が無礼をしたのだ! 任命し送ったのは私だ。責任は私にある。
責任者が頭を下げなくてどうする!!」
周囲の人は狼狽えてます。
しかし、言われてる事は合っているので当たり前じゃないですか。
主なんかは、電話相手でも頭を下げますよ?
私は書類を取り出し、王に近づきます。
「陛下!!」
「危険は無い! シロ殿、そちらが例の?」
「そうです」
「早いな」
「主は優秀ですので」
「ふっははははは! そうかそうか。では受け取ろう」
「こちらに受け取りのサインを貰えますか?」
「受け取りのサイン?」
「ええ。確実に本人が受け取ったという印です」
主が宅急便相手によくやっています。
今回はそれを真似てみました。
この機転! 主が褒めてくれるでしょう!
「ふむ。許可のサインのような物か。なかなか良い考えだ。
真似させてもらっても良いかな?」
「問題ありません」
「そうか。ありがとう。
ここに書けば良いのだね。……これで良いかな?」
「はい。確かに。では帰ります」
「もう帰るのかね?」
「ええ。主が待っているので」
「なるほど。しかし報酬を受け取ってもらわなくては」
報酬! 忘れていました。
配達しか言われてなかったのですが、確かに仕事をしたので報酬があって当然です。
主は何を望んだのでしょう? 聞いておけば良かったですね……。反省です。
「前に私が言った物は用意してあるな?」
「ははっ! 用意して御座います!」
「持って来い!」
「あ、あれは、猫に渡す物だったのですか……?」
「いちいち聞くな! 持って来いと言ったのだから、持って来い!
説明は後でしてやる!」
「ははっ!!」
言われた人が持って来たのは袋と本数冊ですね。
「これが君の主と話をして決めた報酬だ。持って帰ってくれたまえ」
「判りました。ではこちらも受け取った証としてサインをしましょうか」
「おお、そうだな。早速利用するとしよう」
インクと紙を差し出されたので、『シロ』と書いて肉球で判を押しておきました。
そして、報酬はアイテムボックスに収納。
これでミッションコンプリートです。帰りましょう。




