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無茶言います

本日2話目です。

「やっと話が出来ますね。

 では、改めて。ウッウウン。コホン。貴方は神に選ばれましたーっ!」

「はぁ? 何言ってんの?」

「あ、あれ?!」

「神も信じていない、何もしてない俺が選ばれる訳無いじゃん」

「まぁ、そこには理由がありまして」

「理由? どんな?」

「貴方は保有出来る魔素の量が、全世界で一番多いのです!」

「ふ~ん。で? 異世界にでも行けって言うのか?」

「良く判りましたね?」

「マジかよ! ラノベかよ!」

「本当です。地球では使わない魔素を持っていってもらいます」

「行かないよ?」

「えっ?」

「だから、行かない。他の人に頼んで」

「いや、貴方がトップだって言ったじゃないですか!」

「って事は2位も居るんだろ? その人に頼みなよ。何処の人?」

「貴方は1億持っていけるんです! 次の人はインド人なんですけど、5000万程度なんですよ!」

「じゃあ2人送れば良いじゃないか。それにインド人なら神様も信じるだろ」

「信じる信じないじゃないんですってば!

 それに1人限定なんですよ~! そう決まってるんです!!」


ひたすら訴えてくる天使。既に半泣きだ。

異世界に行けとか、面倒すぎるわ。


「何でイヤなんですか! ラノベとかゲームとか好きですよね?」

「非現実だから面白いんだろ? 現実だったら拒否するに決まってる!」

「だから何で?!」

「不便だから」

「…………へっ?」

「アニメは見れないし、ゲームは出来ないし、マンガも読めないし、生活の為に働かないといけないし」

「い、いや、あのですね……」

「水は井戸だろうし、トイレは不潔だろうし、電気もないだろうし」

「あ、あの~……」

「冒険者とか面倒だし、貴族とかクソだし、レベル上げとかバカみたいだし」

「えっと……」

「モンスターとか相手にしたくないし、魔王とかもっと相手にしたくないし、勇者になんか憧れないし」

「……」

「死か異世界か、って言われたら死ぬ方がマシだね」

「……そこまで言いますか?」

「ラノベ読んでたら誰でも思うぞ? 行ったって碌な事無いってな」


現実を放棄してまで行く所じゃないよな。

現代の日本に住んでたら、中世レベル(かどうかは知らないが)じゃあ不便すぎる。


何かの本で読んだけど、クソとかオマルらしいじゃん。

で、窓から捨てるんだって!

道路とかクソまみれだから、ハイヒールが出来たって書いてあった。

思い出したら、より絶対に行きたくなくなった!


「チートを差し上げますよ?」

「チートをくれるって事は、チートが無いと生きられない場所って事だろ?

 行く訳無いじゃん。喜んで行くのは現実の見えないバカだけだ」

「も~う!! 頼みますから行ってくださいよ~」

「ヤだね。他に頼みな。逆らうなら殺すって言うなら殺せよ。抵抗しないから」

「そんなに行きたくないですか?」

「当然。とにかく俺は外に出たくないんだ!!」


チート貰って喜ぶほど、子供じゃないし。

それで喜んで行くのって高校生くらいまでじゃないか?


言っておくが、俺はニートや引きこもりじゃないぞ?

出不精なだけだ。

仕事も買い物も全てネットで済むし。食べ物も宅配された冷食や出前。

ヒマならゲームしたり、アニメ見たり、マンガ読んだり。

運動するならウォーキングマシンとかあるし。

家から出ずに生きてる。……コミュ障でも無いからな?

家に居るだけで生活できてるのに、出る必要無いだろ? 夏は暑いし、冬は寒いし。



「…………じゃあ、さっき言われた事を何もしなくても良いなら行きますか?」

「あぁん? どういう事だ?」

「この家ごと、異世界に送ります。家の中は現在地と繋がったままにします」

「金は? 新しい電化製品とかも買いたいぞ」

「お金は今と同じ様に稼げるようにします。通信販売で買って下さい。ただし設置は自分でお願いします」

「異世界での金はどうする? 出ないから使わないかもしれないが、少しは必要だろ?」

「初期投資として、少しは融通します」

「少し? 言っちゃあ悪いけど、俺結構稼いでるぞ?」


自慢じゃないが、俺は結構知られたデイトレーダーで、お金には困っていない。

この家も注文して建てたし。

廊下にもエアコン付けたり、トレーニングルームも作った。

その他にも図書室・ウォーキングクローゼット・ロフト・ゲーム専用部屋まで作った。

勿論、風呂やトイレにはお金をつぎ込んで豪華にしてある。

あっ、豪華って言っても金ピカとかじゃないぞ?

最新の温水洗浄便座やボタン一つですぐに風呂に入れる設備って事だ。


「ぐぬぬ……じゃあ増額します」

「親とかはどうすんだ?」

「世界旅行に行ったとか、何か理由を付けて記憶をイジります」

「なら年に1回くらいは帰らせろ」

「う~ん……2年に1回で!」

「……まぁいいか。両親ともそれくらい会ってないしな」

「納得してもらえましたか?」


「まぁ、それなら行っても良いかな? でも半年待ってくれ」

「…………へ?」

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