レンチン
「シロ、戻ってきたみたいだぞ」
「そうですか」
「いや、迎えに行けよ」
「私は猫缶を待ちわびているので行きません。主が行ったらどうですか?」
「いやいや、いきなり知らないヤツが出てきたら警戒するだろ?
だから慣れているシロが行った方が良いって。
ホラホラ、明日の朝も高級猫缶にしてやるから」
「本当ですね! 聞きましたからね! 行ってきます!」
飛んで出ていったかと思ったら、すぐに連れて帰ってきた。
他の3人は置き去りだ。かまってやれよ。
「帰りました!」
「お前……この人が結界に引っかかる可能性もあっただろ。
引っ張って来るなんて危ないだろうに」
「大丈夫でしたから大丈夫です!」
猫缶食いたさがハンパない。
もう良いや。食ってろ。
俺が相手するよ。
「こんにちは。俺がシロの飼い主の大矢一馬です」
「えっ? あっ! わわわわわ、私はシャティと申します!」
「いきなり窓から入れられて混乱してるのは判ります。
とりあえず、靴を脱いで貰えますか? 土禁なので」
「へっ?! ああ! すすすす、すみません!!」
う~ん、混乱が収まる感じが無い。
丁度飯時だ。一緒に飯でも食えば落ち着くだろう。
「食事の用意をしますので、リビングまで来て下さい。
お~い、シロ! シャティさんをリビングに案内して!」
「食べたら行きます!!」
「いえいえいえいえいえいえいえ、そんな食事なんて!!」
「まぁまぁ、腹も満たせば混乱も収まると思いますので、遠慮なさらずに」
案内はシロに頼んだので、台所に行く。
何が良いだろうか? 異世界の人が好む食べ物ってなんだ?
ご飯物はダメだな。箸が使えない可能性がある。
となると、麺かパン。パンは……在庫が無い。
冷食のパスタをレンジすれば良いかな?
カルボナーラなら食べられるだろう。
5分で完成。やっぱり便利だよな。
こんな便利さを捨ててまで異世界に行きたいなんて、ドMだよ。
リビングに行くと、キョロキョロしてるシャティさんが。
横にはシロが座っている。満足そうな顔だ。
あっ、そうか。LEDの電灯だけでも珍しいのかも。
室内は冷暖房完備で暖かいし。
ガラスのテーブルだけでも貴重品になるかもね。
「お待たせしました」
「いえいえいえいえ! ありがとうございます!!
これは……パスタですか?」
「そうです。冷めない内にどうぞ」
こっちの世界でもパスタって言うのか。
って、今更だけど、何で言葉が通じてるんだろう?
シロはチート貰ってるけど、俺は貰ってないぞ?
そう言えば、俺のステータスってどうなってるんだろうな?
後でシロに見てもらおう。
気づけばシャティさんは完食していた。
物足りなそうだな……俺のもあげよう。
「……これもどうぞ」
「えっ?! 良いんですか?!」
「ええ。まだまだありますので」
俺のはシャティさんに渡し、もう一度台所へ。
在庫のあるパスタは……ペペロンチーノで良いか。
レンチンして戻ったら、既に完食していた……。
食べるの早いな!
あっ! 飲み物を出してなかった!
そうだ、今流行りのフレーバーを出すか。
どこから見ても水なのに、味があるってやつ。
ビックリするだろうな。




