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私と愛猫(かのじょ)。  作者: しっちぃ


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8日目(7)―優しいぬくもり

もう49話ですね。長いようで短いです。

個人的には一番長い書き物ですが。

 胸に残る、二人だけの甘い気持ち。

 私のこと、ミーナは好きでいてくれる。体中で教えてくれる気持ちに、満たされていく。飴玉を舐めてるみたいに、体を甘い感情に溶かされる。

 ミーナにもらった『好き』という気持ちは、心に余裕をくれる。もう、ミーナのことしか考えられなかったときの私が、嘘みたいだ。


 午後になっても、雨は全然止まない。廊下よりはずっとまともだけど、窓際の席はちょっと寒い。

 ミーナも寒いのか、休み時間になると私に抱きついてくる。おうちに帰るまでは、あと一時間。そう気づいて、ちょっとほっこりする。


 二人きりの時間を求めてるのは、きっとミーナも一緒。

 終業のチャイム、早く来ないかな。期待とは裏腹に、時間は全然進んでくれない。ミーナと二人きりの時間は、あっという間に過ぎて行ってしまうのに。


 授業中眺めるミーナの横顔は、普段よりも真面目な顔をしてる。最近はずっと、緩みきった顔ばかり見てるから、そんな表情が見られる子の時間は、結構好き。

 横顔をちらちらと眺めながら板書を写して、終業のチャイムが鳴るのをひたすら待つ。待ちかねた音が聞こえて、最初に思ったのは、ようやく、ミーナと二人きりでいられるって解放感。

 帰りのホームルームが済んで、ようやく帰り道にたどり着く。


「ねえ、……コンビニ行って、マシュマロ買わない?」

「うん、そうしよっか」


 私の案に、簡単にミーナは乗ってくる。あの時の感触に、二人だけの『特別』を重ねてたのは、本当だったんだ。

 ミーナも、かわいい。好き。溶けちゃうくらい、いっぱいキスしたい。

 恋心は、簡単に跳ねあがって、ミーナ以外の誰にも言えないくらいの気持ちになる。

 二人で傘を差すと、行きのときと一緒でいつもよりも二人の距離が広がる。

 ちょっともやもやした気持ち、ミーナはすぐ気づいてくる。


「ちょっと、寒いね……」

「うん、……」

「じゃあ、こうしよっか」


 そう言って、ミーナが自分の傘を閉じて、それから私の傘に入る。自然と体が密着して、傘を持ってた右手に、ミーナの左手がそっと包まれる。

 いきなりの事で、何も言えなくなる。でも、……これも、『恋人』らしいこと。

 知ってか知らずかされるミーナのアプローチに、私は心をときめかされてばかりだ。


「……あったかい、ありがと」


 そんな言葉を返すのが、精一杯な私。


「ううん、いいよ?」


 それでも、ミーナは、私にいつも優しい。


 このまま、二人で、いつもよりちょっと長い帰り道。

 きっと、ドキドキに満たされる、甘い甘い時間になる。

星花プロジェクトの作品の3話を更新したりリアルでの原稿やらで次回更新が遅れるかもしれません。

気長に待ってていただけますか。

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