7日目(13)―甘い時間
たくさんの応援をいただき、まだまだ書ける気がします。
サブタイがもうネタ切れ寸前ですがね……
「きょう、ちょっと寒いねえ……」
もう、明日で12月。外から、雨が地面を叩く音がする。
「雨、降りだしたみたいだし、体冷える前に拭かなきゃね」
脱衣所に出ても、私を溶かすミーナの熱はなかなか冷めてくれない。
熱くなった体は、湯冷めなんてしようとしてもできない。
体を拭き終わって、着替えようとしたら、ミーナに後ろから抱きつかれる。
素肌の温もりと、肌のぷにぷにとした感覚に、体がドキドキを止められなくなる。
「こうしてると、なんかあったかいね」
「もー、早く服きないと風邪引くよ?」
そう言ったのは、これ以上そうされてると心臓が持たなくなりそうだから。
「しょうがないなぁ……、その代わり、部屋戻ったら、いっぱいキスさせて?」
そんな事を、耳元で、声を抑えるためか、吐息混じりに言われる。そのせいで、体が床から浮いてるんじゃないかと錯覚するくらい、ふわふわとした気分になる。
「う、……うんっ」
ほっぺたのあたりが、熱くてどうしようもなくなる。自然と顔が緩んで、にやけてしまう。
湯上りに水を飲んで、歯を磨くことにする。猫はミント系の匂いが苦手なのは知ってたけど、人間になったミーナが歯磨き粉をつけるのにすら躊躇してるのは、最初はおかしく思えた。
でも、そんなとこも好きになっちゃう。惚れた弱み、っていうのかな、こういうの。
うがいをして、ふぅ、っと息を吐いたミーナ。微笑ましくて、愛しくて、かわいい。
「ふぅ……、ねぇ、カスミ、はやくお部屋戻ろ?」
「うん、行こっか」
指先が、自然とミーナの手の温もりを求めてて、気が付いたら、手が繋がってた。
電気をつけないまま、ベッドに腰掛ける。猫だったときそのままみたいに夜目が効くミーナに、繋がれた手を引っ張られて。
「もう、ミーナ、顔近い……っ」
吐息が顔にかかって、肌の香りを感じるくらい。
「言ったでしょ?……いっぱい、キスするって」
指先がそっと、私のほっぺをなぞる。恋のドキドキに溶かされた体は、それだけでどうにかなっちゃいそうになる。
体はもう、条件反射で目を閉じて、……唇が重なる感触。
いつもより優しいのに、体中をかき乱すような深いキスに、気が付いたらそっと応えてた。
私をミーナが触れてく感覚しかわからなくなって、体の奥底から湧き出す何かは、ミーナの体を抱き寄せさせてて。
ミーナも、同じように思ってるのか、背中にミーナの腕の感触を感じる。
ちゅぷちゅぷと、二人が交わる水音。私とミーナの唇の隙間から勝手に漏れる互いの声。
愛すのも、愛されるのも好きだけど、こうやって、溶かし合うように愛し合う時間が、一番好き。
「……ちゅぷ、はぁ、はぁ……、ミーナ、好き……っ」
「んん、っ、カスミ……まだ、全然足りない……っ」
力の抜けた体が、ミーナとは反対の、ベッドのほうに向かう。
でも、体は抱き合ったままで、ミーナが私に覆いかぶさるような恰好になる。
もしかして、……私、押し倒されたのかな。
「ねぇ、もっと、キスしたい、……駄目?」
駄目なんてまさか。むしろ、――もっと、欲しい。
「いいよ、ミーナぁ……っ」
甘い甘い時間、もっともっと続いてほしい。
そんな気持ちが繋がるみたいに、唇が重なり合った。
これからも、まだまだこの二人とうちの書き物をよろしくお願いします。