7日目(11)―溶け合う恋
このお風呂回だけでこの書き物の1割以上を占めていました。なんということでしょう。
いつもブクマありがとうございます。完結までもうしばらくお付き合いください。よろしくお願いします。
ミーナの指先が、私の肌をなぞる。
「んん、……はぁ、っ」
その瞬間、体の中が熱に溶かされる。
熱い体が、もっと熱くなって、おへその下のあたりがうずくように感じる。
胸元、首筋、お腹、腕、太もも。泡のついた手で触れられる度、体が、心が、どこかに行ってしまいそうな気がする。
「カスミ、すっごいドキドキしてるね、……かわいいっ」
胸の谷間のあたりを触られて、体はもうどうにかなってしまいそうになる。
もっともっと触れられたい。溶かされたい。
そんな事思ってしまうくらいには、体はもうミーナを求めてる。
「ミーナぁ、そんなこと言わないでってぇ……」
「駄目?……カスミのこと、大好きなのに」
そんなこと言わないでよ。……ミーナに、もっとドキドキされたくなるから。
「ずるいよ、ミーナ……」
心をときめかせてくれる言葉、なんでそんなに簡単に言ってくれるんだろう。
「何で?」
「そんなかわいいこと、あんまり言わないでって……」
もっと触ってよ。ドキドキさせてよ。頭の奥底から溢れる想いは、頭の中を溶かしてく。
もう、ミーナのことしか、考えられなくなっちゃう。温もりを求める肌は、気が付いたらミーナの体を抱いていた。
「どうしたの?もう……」
やれやれ、と言ってるみたいな目で見つめられる。でも、それを離すどころか、逆に抱き返してくれるとこが、なんか、かわいく思えてしまう。
「好き……、もっと、ドキドキさせて……っ」
そんな言葉で伝わるのかな、私の気持ち。
「わかった、……私も、好きだよ、カスミ」
顔が近づく。何をしてほしいのか、ちゃんと、ミーナは気づいてくれる。
……ちゅっ、ちゅぷ、……
唇が触れ合った瞬間、二人の間に甘い甘い時間が流れる。
溶けそうになるくらい絡まる二人のキスと、『好き』って気持ち。
角度を変えながら、何度も交わされる口づけに、体だけじゃなく、心も、熱くなる。
抱き寄せるミーナの手が私の背中を滑る度、背中を電気が走るような感覚に襲われる。
そうされるたび、胸の膨らみにミーナのそれが擦れて、心臓が痛いくらい跳ねる。
「あっ、……ミーナ、ダメ……っ」
空いた唇から、言葉がうわ言みたいに漏れる。
これ以上されたら、胸が爆発しちゃう。ピクピクと、体が震えてくる。
このまま『気持ちいい』って感覚に溺れた先を、体は求めてるし、頭でもどういうことなのかは分かってる。
でも、恐い。ミーナに溶かされるのは好きだけど、一瞬感じた自分が自分でなくなってしまうような、私がまだ味わったことのない感覚が、恐くなってしまった。
「どうしたの、カスミ?」
「ドキドキしちゃって、変な気持ちになっちゃいそうだった……」
乱れた息が収まらないまま、二人でキスの余韻に浸る。
「すっごく、ドキドキしちゃうもんね……、わたしも、ちょっと変な気持ち……」
ミーナの体も、ちょっと震えてる。私と同じ理由だとしたら、それは、幸せなことかもしれない。
「泡、ミーナにもついちゃってるね……」
「もう、一緒に洗っちゃお?」
「……うん、そうしよっか」
ミーナも、ドキドキしたいのかな、私の手に、
だとしたら、それはすっごく嬉しい。私と同じ気持ちだっていうことだし、――ミーナが私のこと、恋してるってことだから。
ボディーソープを手に付けて、泡立て。
「じゃあ、いくよ?」
これからは、きっと、二人でドキドキさせあう時間。
一体いつになったらお風呂から上がれるのか、うちにもわかりません。