表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/100

7日目(11)―溶け合う恋

このお風呂回だけでこの書き物の1割以上を占めていました。なんということでしょう。


いつもブクマありがとうございます。完結までもうしばらくお付き合いください。よろしくお願いします。

 ミーナの指先が、私の肌をなぞる。


「んん、……はぁ、っ」


 その瞬間、体の中が熱に溶かされる。

 熱い体が、もっと熱くなって、おへその下のあたりがうずくように感じる。

 胸元、首筋、お腹、腕、太もも。泡のついた手で触れられる度、体が、心が、どこかに行ってしまいそうな気がする。


「カスミ、すっごいドキドキしてるね、……かわいいっ」


 胸の谷間のあたりを触られて、体はもうどうにかなってしまいそうになる。

 もっともっと触れられたい。溶かされたい。

 そんな事思ってしまうくらいには、体はもうミーナを求めてる。


「ミーナぁ、そんなこと言わないでってぇ……」

「駄目?……カスミのこと、大好きなのに」


 そんなこと言わないでよ。……ミーナに、もっとドキドキされたくなるから。


「ずるいよ、ミーナ……」


 心をときめかせてくれる言葉、なんでそんなに簡単に言ってくれるんだろう。


「何で?」

「そんなかわいいこと、あんまり言わないでって……」


 もっと触ってよ。ドキドキさせてよ。頭の奥底から溢れる想いは、頭の中を溶かしてく。

 もう、ミーナのことしか、考えられなくなっちゃう。温もりを求める肌は、気が付いたらミーナの体を抱いていた。


「どうしたの?もう……」


 やれやれ、と言ってるみたいな目で見つめられる。でも、それを離すどころか、逆に抱き返してくれるとこが、なんか、かわいく思えてしまう。


「好き……、もっと、ドキドキさせて……っ」


 そんな言葉で伝わるのかな、私の気持ち。


「わかった、……私も、好きだよ、カスミ」


 顔が近づく。何をしてほしいのか、ちゃんと、ミーナは気づいてくれる。

 

 ……ちゅっ、ちゅぷ、……

 

 唇が触れ合った瞬間、二人の間に甘い甘い時間が流れる。

 溶けそうになるくらい絡まる二人のキスと、『好き』って気持ち。

 角度を変えながら、何度も交わされる口づけに、体だけじゃなく、心も、熱くなる。

 抱き寄せるミーナの手が私の背中を滑る度、背中を電気が走るような感覚に襲われる。

 そうされるたび、胸の膨らみにミーナのそれが擦れて、心臓が痛いくらい跳ねる。


「あっ、……ミーナ、ダメ……っ」


 空いた唇から、言葉がうわ言みたいに漏れる。

 これ以上されたら、胸が爆発しちゃう。ピクピクと、体が震えてくる。


 このまま『気持ちいい』って感覚に溺れた先を、体は求めてるし、頭でもどういうことなのかは分かってる。

 でも、恐い。ミーナに溶かされるのは好きだけど、一瞬感じた自分が自分でなくなってしまうような、私がまだ味わったことのない感覚が、恐くなってしまった。


「どうしたの、カスミ?」

「ドキドキしちゃって、変な気持ちになっちゃいそうだった……」


 乱れた息が収まらないまま、二人でキスの余韻に浸る。


「すっごく、ドキドキしちゃうもんね……、わたしも、ちょっと変な気持ち……」


 ミーナの体も、ちょっと震えてる。私と同じ理由だとしたら、それは、幸せなことかもしれない。


「泡、ミーナにもついちゃってるね……」

「もう、一緒に洗っちゃお?」

「……うん、そうしよっか」


 ミーナも、ドキドキしたいのかな、私の手に、

 だとしたら、それはすっごく嬉しい。私と同じ気持ちだっていうことだし、――ミーナが私のこと、恋してるってことだから。

 ボディーソープを手に付けて、泡立て。


「じゃあ、いくよ?」


 これからは、きっと、二人でドキドキさせあう時間。

一体いつになったらお風呂から上がれるのか、うちにもわかりません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ