5日目(3)―いけない感情
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応援ありがとうございます。これからも頑張りますので、もう10話くらいお付き合いくださいますか?
放課後、二人きりの教室で、私のお弁当を一緒に食べてくれる。
「本当にびっくりしちゃったよ、もう……」
「えへへ、ごめんね、カスミ」
お昼は、保健室で寝てる間に過ぎていたし、さすがに食べないわけにもいかないし、でも食欲はあんまりないし……。
でも、この方法は、失敗だったかもしれない。ミーナのことで過剰反応してしまう頭は、二人きりだとか、もしかしたら間接キスしちゃうかもとか思ってドキドキしっぱなしだから。
いつも部屋では二人きりだし、普通にキスだってしてるのに、こんなのでおかしくなるなんて不思議だ。
普段より遅い時間だから、ごはんも固くなって、おかずも冷めてるのに、おいしく感じる。
『恋』という感情が、どれだけ心の中に溢れているか、嫌でも気づかされる。
放課後からはそんなに経ってないないけど、もう辺りはほの暗い。
「ねぇ、……手、つないでもいい?」
そんなこと、急に言われて、ビクン、と体が跳ねる。
きっと、そんなことしたら、ドキドキしすぎて倒れそうな気がするし、でも、断ることもできない。
ミーナと出逢ってから、離れ離れになったのは、あの日の夜だけだったから。
一番近い距離にいるのに、もし、それでミーナが私のことを嫌いになったら?
もし、今日ミーナとキスできなかったら?
それは、私とミーナの永遠のお別れを意味する。夢の中で、その喪失は痛いほど味わった。
私、ミーナがいないと、きっとどうにかなってしまう。
普通よりも壊れやすい、でも何より大事な関係に、少しでも、傷をつけてしまうのが恐い。
「う、うん……」
昇降口を出ると、冷たい空気が厚着の隙間から入ってくる。
手袋をはめてない冷えそうな手が、ミーナの手に握られる。
「手、つなぐだけで、ちょっとあったかいね」
「そうだねぇ……」
繋がれたミーナの手の温もりは、私の肌にしみ込んでいって。
コートとかマフラーとか、鬱陶しいくらい熱い。
心臓の奥が縮むように痛い。ミーナと触れ合う度に感じて、全然慣れないこの感覚は、いけない恋をしてしまった罰なのだろうか。
家が見えて、ほっとする。このまま、心臓が止まっちゃうんじゃないかって、心配してたから。
「「ただいまー」」
「おかえり、そろそろご飯できるわよ?」
「うん、わかった」
そのまま、二人きりになるのが、当たり前みたいになっていて。
一緒にいるだけで胸がどうにかなりそうなのに、一緒にいないと胸がざわつく。
体一つじゃ抱えきれないくらいの『好き』をしまい込んだ私の体は、今にも壊れてしまうんじゃないだろうかと思ってしまうくらい悲鳴を上げている。
自覚している気持ちに、衝き動かされてしまったら、きっとこの関係は終わってしまう。
分かっているのに、止められなくなりそうな私がいた。
私事ですが、登美司 つかさ先生の『星花女子プロジェクト』に参加させて頂くことになりました。
今後はこちらの方も書いていくのでよかったら是非……