4日目(7)―滾る想い
ブクマと評価が気が付いたら増えていました。ありがとうございます!!!!!
せっかくミーナが私の為にくれた時間。なのに、私は全然眠れない。
考えれば考えるほどにドツボに嵌っているいるような気がするけど、頭の中はミーナのことしか考えさせてくれない。
自分ではどうしようもできないほど、『好き』っていう気持ちで溢れてしまってるから。
「……カスミ?」
寝ぼけた声に、飛び上がりそうになる。溶けてしまいそうなくらい甘い声に、射貫かれたみたいだ。
「な、何っ?」
裏返りそうな声は、全然直ってない。一瞬で跳ね上がった鼓動で、心臓が止まっちゃうんじゃないかって錯覚した。
「ごめんね、寝れなかった?」
「う、うん」
「さっきまでずっと寝てたもんね、そんなにいっぱい眠れないでしょ?カスミは猫じゃないんだし」
「ううん、いいよ?……」
優しくて、ほんのりと甘い匂いがして、私なんかよりずっとずっとかわいいミーナのこと、一番傷つけてるのは、きっと私だ。
それなのに、……キスしなければいつでも私の前から姿を消せるはずなのに、それでもミーナは私のそばにいてくれる。
早く治してほしいから、いっぱい寝かせてあげようとしてくれてるのだって、ちゃんとわかるのに。
どうして、こんな気持ちにに、応えてあげられないんだろう。
『好き』という塊に、胸が押しつぶされるように痛むんだろう。
「私も、ごめんね……?」
「ううん、いいよ?」
優しくされてるはずなのに、胸が苦しい。
頭を撫でてくれるミーナの手が触れるだけで、体が痛くて。
体の中身が全部出てきそうなくらい、胸の奥を締め付けられていく。
「ね、カスミ、キスしても、いい?」
抱き起されて、背中に手を回される。
「え、えっ!?、いいけど……」
勝手にキスしてしまったことなんて、とてもじゃないけど言えない。だから、ミーナに怪しまれないようにするためには、こう言うしかなかった。
そのことを気づかれた様子はないことにほっとするけど、それ以上にドキドキしてしまう。
何度しても慣れないこの感覚に、狂わされていくような。
顔が近づく。ほのかに感じる香りが、感覚を刺激していく。
「んん……っ」
緊張してたせいか、声が漏れて。
その唇を、ミーナに塞がれる。
唇を離さないまま、ミーナの右手が背中から離れて、頭に手の温もりを感じる。
そのまま、頭を撫でられる。胸の鼓動がどんどん高まって、頭の中が真っ白になって、――
ドフン、と、鈍い音が鳴る。
いつの間にか唇は離れていて、何が起きたのか分からない目で見つめられていて。
ミーナに、覆いかぶさっていて、……私、一体何をしようとしてたんだろう、
絶え絶えになった息も、滾るほどの熱も、全部ミーナが起こしたものなのは分かるのに。
「ご、ごめん、私……っ」
取返しのつかないこと、してしまったのかもしれない。底知れぬ恐怖が、体を支配する。
「いいよ?……体調悪いのに、無理やりさせちゃったもんね」
頭をぽんぽんと叩かれる。『気にしないでいいよ』って、手だけで言われてるみたい。
壊れそうな心、ミーナが大事に抱えてくれてるから、なんとかなってたけど。
膨らんでいく想いが、私の体から溢れてしまったら、……ミーナに、何をしてしまうんだろう。
それが、私にとって、一番怖かった。
4日目だけでどれだけ尺取ってるんだろう……
とりあえずあと8回くらいはありそうです(プロットも大まかにしか立ててないから詳しいことはわかりません)