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4日目(5)―『好き』という気持ち

ブクマが26件になってました。いつも応援ありがとうございます。

あと7ptで総合評価点が3桁です。

 内気で、友達もそんなに多いわけじゃない私にとって、ミーナは、こんな姿になる前から、ずっと特別な存在だった。

 私にだけはなついてくれて、悩みごとも、楽しかったことも、全部聞いてくれた。

 お腹を見せて寝転がる無防備な姿も、私には見せてくれた。


 でも、今、その純粋な愛情は、全部汚れた恋心に変わってしまった。

 心の中がミーナのことで溢れていたせいで、今抱いている気持ちも、体を壊してしまいそうなくらい大きくなってしまったのだろう。


「ご飯、食べられる?」

「ん、まあね……っ」


 ご飯も、全然味がしない。ぼうっとしたまま、ただおかゆを口に入れるだけ。

 頭の中は、もうミーナのことしか考えられなくなってしまっていて。


 どうして、こんなに苦しくなんないといけないんだろう。

 想ってはいけないはずの恋をして、自分をどんどん痛めつけないといけないんだろう。

 教えてよ、誰か。止めてよ、バラバラになっちゃいそうな私を。


 ブレーキが壊れたみたいに加速していく感情に、体はもう悲鳴を上げていた。止まらない、想ってはいけないと分かってるはずの気持ちに。

 ミーナの肩に支えられながら、部屋に戻る。エスコートされてるみたい、なんて考えてしまう頭を、ぼうっとした心は止められない。


「熱、もうない?」


 まだ、ミーナのこと想うだけで体は火照ってしまうけど、――こんなに心配してくれるミーナのこと、これ以上心配させたくない。


「うん、大分ね」

「もう、本当に?」


 無理してることまで気づかれるなんて。やっぱり、私の一番近くにいた存在だからなのかな。

 それだけ私のこと見てくれて、気にかけてくれてくれてたから、好きになっちゃったのかな、ミーナのこと。

 熱を確かめるためにおでこに当てられた手に、ドキリとしてしまうくらいに。


「大分よくなったみたいだね、明日は学校行けそうかな」

「……そうだったらいいな」


 そっか、今日は日曜日だったんだ。ミーナが人間として生き始めてからの時間は、濃密に過ぎていく。

 まだ、1週間も経ってないというのに、初めて人と人としてミーナと出会ったのが遠い昔みたいに思える。


 ……好きって、こういうことなのかな。

 遠い昔の初恋のこと、今でも思い出せる。胸の奥が、きゅっと苦しくなって、気が付いたら、好きな人のことのことばかり考えていて。

 好きな人といる時間は、どこかふわふわとして、苦しくて、甘い。

 今、ミーナに思っていることと、同じだ。


「もー、早く治して学校行こ?」

「それもそうだね」


 『恋の病』なんて、使い古された言葉が、ふと頭に浮かんだ。

3度目の2万文字突破……

まだまだ続きます。よかったらこれからもよろしくです。


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