4日目(5)―『好き』という気持ち
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内気で、友達もそんなに多いわけじゃない私にとって、ミーナは、こんな姿になる前から、ずっと特別な存在だった。
私にだけはなついてくれて、悩みごとも、楽しかったことも、全部聞いてくれた。
お腹を見せて寝転がる無防備な姿も、私には見せてくれた。
でも、今、その純粋な愛情は、全部汚れた恋心に変わってしまった。
心の中がミーナのことで溢れていたせいで、今抱いている気持ちも、体を壊してしまいそうなくらい大きくなってしまったのだろう。
「ご飯、食べられる?」
「ん、まあね……っ」
ご飯も、全然味がしない。ぼうっとしたまま、ただおかゆを口に入れるだけ。
頭の中は、もうミーナのことしか考えられなくなってしまっていて。
どうして、こんなに苦しくなんないといけないんだろう。
想ってはいけないはずの恋をして、自分をどんどん痛めつけないといけないんだろう。
教えてよ、誰か。止めてよ、バラバラになっちゃいそうな私を。
ブレーキが壊れたみたいに加速していく感情に、体はもう悲鳴を上げていた。止まらない、想ってはいけないと分かってるはずの気持ちに。
ミーナの肩に支えられながら、部屋に戻る。エスコートされてるみたい、なんて考えてしまう頭を、ぼうっとした心は止められない。
「熱、もうない?」
まだ、ミーナのこと想うだけで体は火照ってしまうけど、――こんなに心配してくれるミーナのこと、これ以上心配させたくない。
「うん、大分ね」
「もう、本当に?」
無理してることまで気づかれるなんて。やっぱり、私の一番近くにいた存在だからなのかな。
それだけ私のこと見てくれて、気にかけてくれてくれてたから、好きになっちゃったのかな、ミーナのこと。
熱を確かめるためにおでこに当てられた手に、ドキリとしてしまうくらいに。
「大分よくなったみたいだね、明日は学校行けそうかな」
「……そうだったらいいな」
そっか、今日は日曜日だったんだ。ミーナが人間として生き始めてからの時間は、濃密に過ぎていく。
まだ、1週間も経ってないというのに、初めて人と人としてミーナと出会ったのが遠い昔みたいに思える。
……好きって、こういうことなのかな。
遠い昔の初恋のこと、今でも思い出せる。胸の奥が、きゅっと苦しくなって、気が付いたら、好きな人のことのことばかり考えていて。
好きな人といる時間は、どこかふわふわとして、苦しくて、甘い。
今、ミーナに思っていることと、同じだ。
「もー、早く治して学校行こ?」
「それもそうだね」
『恋の病』なんて、使い古された言葉が、ふと頭に浮かんだ。
3度目の2万文字突破……
まだまだ続きます。よかったらこれからもよろしくです。