第26話 神父と卵
朝起きて朝食を食べたあとディクがまたふらりといなくなり暇だったのでボーノを探すことにした。
町と言ってもそう広いわけではないので近所の人に聞くとすぐ分かった。
「ボーノさん、いますか?」
ドアをノックして声をかけるとかすかだが中から物音がしドアが開いた。
何だか近々結婚式にしては暗い雰囲気であるので理由を聞いてみた。
「おぅ、ゼルか。昨日急いで貰ったのにすまんな。
結婚式なくなっちまった。神父が急に病死してな。
代わりの奴がまだ見つからないらしく出来なくなっちまったんだ。神父になるには光魔法が必要だからそう簡単には見つからないだろうし……はぁ」
なるほど、光魔法か……確か持ってたよな?天使族だし。
「ボーノさん。よろしければ私が神父役をやってもよろしいでしょうか?セリフとかは知りませんが光魔法なら持っていますよ。」
「何!本当か?!本当に光魔法を持っているのか!こんなことしていられない!娘に知らせなくちゃ!!今すぐ用意してくれ!これから結婚式を始めるからな!」
相変わらず慌ただしい人だ。
ボーノの大きな声が聞こえたのか中から娘であろう女の人とそれに寄り添う男の人が出できてボーノから話を聞いている。
私は教会に連れて行かれ手順を聞くと案外簡単だった。
双方の頭の上に光魔法の祝福を展開しながら誓いの言葉をのべ両方が承認したところを今度は展開した光魔法を女神像唯一神ラティーへと向けるだけらしい。
女神像から承認を貰えれば成功。
どうやってもらえるかと言えば普通は光魔法が吸い込まれ代わりに光のエフェクトが降ってくるとか。
まぁ、そんな感じでちょうど来た新郎新婦の神父役をやり最後にさっき言った女神様からの承認になったわけだが。
どうしてこうなった?
女神様自ら出てきたぞ?
てか、最初にあったあの神様がラティーだったのか。
周りの人たちも驚いてるし。
「お久しぶりですね!楽しんでますか!!今回は結婚式の承認をネーゼルさんがやってたので来ちゃいました!2人の結婚を認めます!!あ、やばいです!!書類仕事があるんでした!でわでわ!!」
一気に喋ってどっかいきやがった。
周りな人たちは未だにぽかんとしてるが、一番初めに気づいた花嫁が感動で涙を流し始めた。
え、内容結構変だったよね?どこに感動する要素が?
聞いてみると女神様自ら来られるのは本当に稀であり、来た人には幸せと子宝に恵まれるそうだ。
まぁ、幸せそうで良かったです。
変なハプニングもあったが式は無事終わり来た人は二次会みたいに酒やなんやと盛り上がっている。
私も参加したかったがいい加減ディクを放っとくのも何なので探しに出ることにした。
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ディクを探して早2時間。
ディクを見つけました。
見つけたけど……どうして卵を持ってるのでしょうか?
しかも、やべっ見つかっちゃった、みたいな雰囲気出すのやめてください。
「その卵どうしたんです?」
「……拾った。」
「どこで拾ったんです?元あった場所に返してきなさい!」
そんな大きな卵普通に落ちてるわけないじゃないか。
「……」
卵を強く抱きしめ無言で頭を横にフリ拒否してくる。数分同じことを繰り返したがディクは手放す気がないみたいなので結局育てることになった。
ディクは嬉しそうに、卵をじっと見てる。
何か今日はつかれたな……。
また不定期になると思います。




