第21話 元魔王
相棒として出したかった元魔王です!
転がってたのは元魔王でした。
何で分かったか?本人に聞いたら答えてくれましたし。超鑑定で分かった。
「……天使族?」
魔王はどうやら私の種族が分かるようだ。
「何で分かったか知りませんけど、そうです天使族ですよ。自己紹介をしましょう。私の名前はネーゼルです。ゼルと読んでください。天使族なのは他の方には秘密ですよ。ところで何でここにいるんです?」
「……元魔王。名前はディクティノール。ディクでいい。種族は魔眼で見た。あと魔界から逃げてきた。」
どうやら元魔王は逃亡者らしい。しかも魔眼持ち。
何故か理由を聞くと、呆れた回答が帰ってきた。
ディク曰く魔王の仕事が書類ばかりで好戦的な魔族は戦えとか戦争とか五月蠅く無視してたら魔界のあちこちで喧嘩を売りだしたらしい。それに抗議の文が来て。あちこちに責められて我慢ならずに出てきた。
それに元魔王となったのは誰かが魔王についたからで、自由の身になった途端疲れてここに倒れてたとの事だ。
この魔王大丈夫か?と思ったのは心の内にしまっとく。
でも、森の中で暗いがディクは相当美形だ。
全身は真っ黒だけど、身長は190くらいかな?髪の毛は長い黒で後ろで一つに結んでいて顔は色白に鼻筋の通った鼻キリッとした赤い目。
体はガッチリしてるけど嫌味な筋肉じゃない。
よくいる筋肉ムッキムッキとかじゃ無く程よく鍛えていて、触ると腕かた!とか腹筋すご!となるくらいだ。服の上からだからこのくらいしか分からないが。
で、これからどうするのか聞いたら魔界から出たのは初めてだから分からないと答えたので結果私と一緒に冒険することになった。
勿論、魔眼で見た性別や他のことは内緒にしてもらう。
っと言っても喋ることが苦手なのか基本無口だけど。あと、何故か称号がボヤケてたらしい。
それから二人でギルドに戻る。
中に入るとディクがいるせいかまたザワザワしだした。
「受注クエスト完了とディク……こちらの男性のギルドカード発行をお願いします。」
ディクを見てボーとしている受付嬢に頼む。
「え、あ、はい!受注クエストはひと突きウサギですね!死んだのが10匹と生きてるのが4羽ですね。少々お待ちください!えーと、クエスト料が1000リル、死んでいるのは1羽につき180リル、生きてるのは220リルですね!ですので合計3680リルです!それと、そちらの方のタグですね!では、この紙を書いてもらえますか?」
お金と紙をもらう。
私がやったのと同じ奴だ。
それをディクに渡し書いてもらい埋まったのを見てみる。
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※名前 ディクティノール
年齢 忘れた
性別 男
種族 ……
※得意魔法 闇
※苦手魔法 光
※武器 大剣
※位置 前衛 後衛 中距離 長距離
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年齢忘れたのか。
まぁ、私も生まれたばかりだから年齢書けなかったけど。
取り敢えず、心配するようなことは書かれてないので登録してもらいタグをもらう。
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・ディクティノール
ギルドランクF
冒険者
・得意魔法 闇
・苦手魔法 光
・武器 大剣
・前衛、後衛、中距離、長距離
討伐数:0
受注クエスト:0
完了クエスト:0
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と、なっていた。
たいして私と変わらないな。
そういえは私と行動するとの事だがPT登録が必要かな?
「ディク。PT登録が必要かと思いますが名前はどうします?」
PTには名前が必要だがはっきり言って思いつかない。
「……むっ。」
ディクも思うつかないのか考えている。
「すみません、名前が決まらないので後でPT登録していいですか?ちなみに他の方はなんと名前つけてるのか参考程度に教えて頂けると嬉しいのですが……。」
ここで困ったように言うのが味噌だと思う。
「えっと、だ、大丈夫ですよ!ゆっくり考えて下さい!名前ですが、他の方は有名なPTで「ペガサスの羽」や「ドラゴンの剣」、「シルバーの騎士」とかです。他にもありますが聞きますか?」
なるほど、みなさん結構厨二臭い名前らしい。
まぁ、PT名考えてるだけで厨二ぽいけど。
取り敢えず、名前の件は保留にしお礼を行ってからギルドを出る。
今日の宿を探さなければ。
何件かの宿を廻ってみて特に綺麗だと思った宿に入る。
名前は「猫の子子猫の宿」だ。ネーミングセンスを疑う名前だ。
「いらっしゃーいニャー。2名様かにゃー?」
なるほど。
猫の子子猫は猫の獣人がやってるからか。
「はい、2名です。2部屋取りたいのですがあいてますか?」
「ちょっと待つにゃー。2部屋空いてるにゃー。でも二人部屋取ったほうがお得にゃ!一人部屋だと1人一泊1500リル、二人部屋だと二人で2000リルにゃ!
ご飯とお風呂用のお湯はどちらも2人で一泊400リルでつけるにゃ!あとは安いので8人部屋があるにゃ、ここは他の冒険者も一緒になるけど一泊500リルになるにゃ!どうするのにゃ?」
確かにそれだと2部屋よりも二人部屋の放が得だな。8人の方は考えない事にして、お金はまだまだ貯めときたい。
「ディク。どっちがいいですか?私はどちらでもいいのですが。」
私は女だけど、ディクが襲うとは思わないし。
「……二人部屋でいい。」
「では、二人部屋でお願いします。あ、食事とお湯も付けてください。取り敢えず3日分お願いします。」
「了解にゃ!3日分だから7200リルにゃ!鍵はこれにゃ!ご飯は朝は5時から9時、夜は6時から12時までにゃ。お湯は言ってくれれば持ってくにゃ!」
鍵を受け取り部屋に行く部屋は206号室だ。
中に入るとベットが2つと机、トイレへの扉とお湯を使う小さい部屋がある。
冒険者が使うにはとてもいい部屋だ。
今日は既に夕方だったためPT名は明日考えることにして夕飯を食べお湯を使い体を洗い寝ることになった。生活魔法もあるが体を洗わないと気が済まないので使わなかった。
魔王の細かい設定を考えてないけど取り敢えず出したかった!