第12話 用意
早く冒険に出したい!
情報を得た私の行動ははやかった。
やはり冒険には早く出たかっので両親に行ってみたところ特に止められることも無く準備を手伝ってもらえる事になった。
え?兄達はだって?
勿論泣きながら止められましたよ。
イケメンは泣いてもイケメンでした。
ですが、そんな事で負ける私ではありません。
逆に泣き落とししてやりました。
我ながら慣れないことをしたからかその後恥ずかしくなって部屋から出れなかった。
とにかく外界へ行くためには色々装備が必要だという意見が出たので行くのはもう少し後になりそうです。
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さっそくと1番ノリ気であったお父様が連れて来たのは天界にある武器屋でした。もともと天使族は戦闘民族なので武器には特にこだわりがあるらしい。
ちなみにお父様は二刀流でお母様は鞭、ラース兄様は大斧でニース兄様は槍でした。
ニース兄様は杖だと思ってたけどそもそも杖は魔法の増幅に使う媒体らしく杖を使わなくても同じ強さを出せる天使族には関係ないらしい。
それで、私の武器を見つけるために来たのだがどの武器もいまいち合わない。
「どれもしっくりこないね?ネルに合うのがあればいいのだけれど。」
お父様が困ったように言う。
お店の亭主も困ったらしくゴソゴソと店の奥をあさっている。
「あ、この箱……これはどうです?」
なにか見つけたらしい。
箱の中を見せてくる。棒?
中には銀の棒みたいなものが入っていた。
「これは?」
いまいち武器には見えない。
「これはフルと先が出てきて鎌になる死の鎌です。手に持ってみてください。」
天使族なのに死の鎌か……。
あれか?パトラッシュとかの魂を天国へ運んだのも天使だから天使族は死神も同然ってことか?
うむ、分からん。
とりあえず手に持って振ってみる。
おぉ、振りやすい。もう少し軽くてもいいが
今までで1番使いやすかった。
「もう少し軽い方がいいですがこれが1番しっくりきます。」
「あう武器があって何よりです。こちらで調節すれば軽くもできますし。少し古いので刃先を鋭くしときますね。あなたに合うように調節いたしますのでそこら辺は任せてください。」
流石武器屋だ。
これ以上私がここにいる必要はないので武器のことを頼んで帰ることにした。
まだ続きます。