中間戦
私は彼に好きだと言われてから、周りの景色が変わった。
梨花には悪いことしたとは思ってるけど、ここで嘘ついても梨花にいいことがあるとは思えなかった。
彼が梨花に話しかけていると、少しもやもやするけど、それがきっと彼のいいところだよね。
「あのさ、桜流…あの話だけど…」
あの話というのは、この間好きって言われた後の事…
「…って、両思いだったんだね!」
彼がそういって、私は改めて恥ずかしくなって…
「どうする?付き合う?」
…本当に恥ずかしい…
「かっ、考えさせて!」
その時は頭に梨花ばかりが浮かんで、どうしようもなくて…
裏切りたくない。
しばらく梨花と離れて気づいたのは、梨花が私にとっていなくてはならない存在だった、ということ。
だから、結論が出せなくて…
でも、今ならもう迷わない。
「あのっ…私的には、まだ友達のままでいたい!」
「…えっ?」
「聞かなかったことにしてくれる?梨花は、あなたのことが好きなの…。だから、梨花を裏切りたくなくて…」
「…そんなの、桜流の自由じゃないの?」
「…」
「桜流がそうしたいならそれでもいいよ。…ただ、俺の気持ちが変わるかもしれないけど…」
最後の方は声が小さくて何を言ってるのかよく聞こえなくて…
「じゃあ、とりあえず今は友達!」
あそこに、桜流と彼がいる。
なんだか気になって思わずのぞいてしまう。
「あのさ、桜流…あの話だけど…」
「あのっ…私的には、まだ友達のままでいたい!」
「…えっ?」
…何の話?
私には関係ない事なの…?
「聞かなかったことにしてくれる?梨花は、あなたのことが好きなの…。だから、梨花を裏切りたくなくて…」
桜流?
何、私の気持ちを軽く扱って…!
私はとってもショックだった。
でも、次の瞬間、
「桜流がそうしたいならそれでもいいよ。…ただ、俺の気持ちが変わるかもしれないけど…」
その言葉にハッとした。
桜流には聞こえなかったみたいだけど、私は彼の近くにいたからはっきり聞こえた。
…それって、桜流のことが好きってこと…?
もう告白したの?
その返事なの?
その瞬間、私は廊下をダッシュで走っていた…