梨花の迷い
戦いの幕は私から開けた。
「私、あの人が好き…。桜流もそうじゃないの?」
「梨花…!?なんで知って…」
「応援、してくれるよね…?だって私たち心友だもんね…?」
私は卑怯だ。
桜流なら絶対に言い返さないってわかっててこんな言い方したんだから。
私だって、それくらいあの人のことがすきなんだよ…?
「私の…、私の気持ちはどうなるっていうの!?」
桜流…!?
まさか、桜流がこんなにも大きな声で私に言い返すなんて、思ってもいなかった。
そして、私たちは次の日から敵になってしまった。
桜流にはたくさんの友達が集まって心配してもらってたけど
私は一人だ。
そんな時、彼が私に話しかけてきてくれた。
「梨花?1人でどうしたの?」
彼は一人でいるわたしに話しかけてきてくれた。
その優しさがまた胸に染みて、きゅんとする。
「あの、ね…ううん、何でもない。」
わたしに話しかけてくれたのは、少しでも私に気があるから…?
そうだったら、いいのに…
ちょっとだけ芽生えた希望を胸に、私は、明日も一人でやっていける。
でも、そんなのは甘かったと、あとて後悔することになるなんて…
今の私は、思ってもいなかったのだった。