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桜流の迷い
今日、事件は起きた。
はじまりは梨花からだった。
「私、あの人が好き…。桜流もそうじゃないの?」
「梨花…!?なんで知って…」
もう遅かった。言った。言ってしまった。
「応援、してくれるよね…?だって私たち心友だもんね…?」
梨花…?
「私の…、私の気持ちはどうなるっていうの!?」
気づいたら大きな声を出してしまっていた。
次の日から私たちは「敵」になってしまっていた。
周りの子たちが私を心配してくれたけど、梨花は一人だった。
この状況のまま、一週間が過ぎた。
そして、再び事件は起こった。
「あのさ、桜流…ちょっといい?」
あの人。私たちの、好きな人。
「俺さ、桜流が好きなんだ」
時間が止まったかと、思った。
「本当に…?」
「本気だよ」
「…私も、好きです」
「…えっ!?」
今度は彼の方が予想外だったらしく、問い返す。
ねぇ、梨花。
私は裏切ったことになるの?
正直に言えないよ。
私は、どうしたらいいの…?