第一話 飛ばされて異世界
突然だが、俺はファンタジーが好きだ、小説然りゲーム然りなんだって好きだ、何回想像したかわからないくらいに好きだ
...でもマジな方の召喚はどうかと思う。
(どうしてこうなった...)
目の前に広がるのは右を見ても左を見ても広がる草原、真下には朽ちた魔法陣が敷いてあり、召喚主と思われる骸骨が散らばっている
「いやいやいやいやおかしいだろどう考えても」
岡澤 竜二 どこにでもいる高校3年生だ、多少の悪さをした覚えはあるが、人に恨まれることなどしたことが無いし、理由も不明だ
学校が終わり、友人と喋りながら帰っている途中に景色がホワイトアウトしたと思ったらここにいたという事だ
「にしてもここはどこなんだ?」
辺りを見回しても草原が広がるばかりで人一人見えない
「ん?なんか踏んだぞ..これは紙か?」
ボロボロになっている紙と思われる物を拾ってみると、うっすら日本語ではない文字が書いてあるが、何故か意味が頭に入ってくる
[ごめんね異世界の人!適当に召喚試してみるから召喚されたら諦めてこの世界で暮らしてね!基本的な事は書いておくから、頑張って生きてね! 見習い黒魔術師 リリカより]
「....ふざけんなぁぁぁぁぁ!」
誰もいない草原でいきなり叫び始めた姿を見れば、かなりおかしい人にしか見えないだろうが、そんなのはおかましなしで叫ぶ
「はぁーーー..とりあえず読んでみるか」
[基本事項1 この世界のこと
この世界はエストラと呼ばれる世界で、4つの国でなりたってるの、
人間の国 シュトリア
獣人の国 アルダミン
妖精の国 スライル
魔族の国 ユーカトリア
この国々がエストラにはあるわ、まあ詳しいことは現地で感じた方が早いだろうし、次に進むね
基本事項2 ステータス
ステータスの出し方は簡単、心でステータスと念じるだけよ、読み方は分かるはずよ
基本事項3 通貨
この世界の通貨は
銅貨
銀貨
金貨
白金貨
に分かれてるわ、換算すると、
銅貨100枚=銀貨1枚
銀貨100枚=金貨1枚
金貨100枚=白金貨1枚よ
とりあえず支度金として、銀貨を50枚ほど袋に入れておくわ、結構早く減るから気をつけてね!
このくらいね、後は魔物っていう化け物もたくさんいるけど、異世界人の貴方なら余裕よ、ここから南にトルーラという街があるわ、そこで色々準備しなさい!]
「なるほどな、大体わかった、とりあえずステータスを出してみるか」
心の中でステータスと念じると、目の前にうっすらと文字が見えてきた
「どれどれ、俺のステータスはどんなもんかな」
岡澤 竜二:年齢16
種族:異世界人
職業:魔剣士
LV:1
HP:15/15
MP:30/30
STR:48
VIT:28
AGI :55
INT :60
LUC:99
称号:異世界人 上昇補正
「へーえ、こんなもんなのか、よくわからないけど」
ステータスに関しては後でゆっくり覚えればいいやと思ってるので、次の事を考える
「それより獣人だって⁉︎、猫耳とか居るのかな⁉︎楽しみだなぁ、早くトルーラに行かないとな」
そういうわけで、南のトルーラを目指すことにした
「...のどかだなぁ」
雲ひとつない青空をゆっくり歩いている、日本ではこんなに澄んだ空気を吸えるところはないだろう
「お、見えてきたかな?」
少し遠くにうっすらと街を覆う壁が見え始めてきた、彼は心を踊らせながら足を早めた
「おお〜、近くで見ると迫力あるなぁ」
中世の見るからに門、というところに番兵が立っていて、通る人々を検問にかけていた
「さて街に入るか」
「おい、そこのお前」
いざ街には入ろうとすると、重厚な鎧姿の番兵が話しかけてきた
「ん?」
「通行証か身分証を見せろでないと街には入れんぞ」
「え、マジで?」
「なんだお前そんなことも知らないのか、まあいい、それならこの玉に手を乗せて、私は犯罪を犯してはいませんと言え、なにもなければ仮通行証が発行出来る」
「わかった」
言われたとおりに手を乗せると、少しもやもやしたあと、青く光った
「問題無しだな、この紙に名前を書いて通れ、10日間立つと効果が切れて不法滞在になるからな、その前に正規の通行証か身分証を作れよ」
「ああわかった、ありがとう」
「どういたしまして、トルーラにようこそ」
門をくぐると、そのにはまさに中世の街並みが広がっていた
「おお〜、さて、こういうファンタジー物には冒険者ギルドというものがあるはずだが..」
少し歩くと、剣が交差している看板を付けた、大きな石造りの建物があった
「ここかな?」
中に入ってみると、かなり広い室内に、中央にテーブルが置かれ、筋肉隆々の冒険者達と思われる男達が酒を飲んでいた
「イメージそのまんまだな、さて登録でもするかな、カウンターはどこだ?」
少し奥に、カウンターらしきものがあったので、近づいてみると、青い制服に身を包んだ
金髪碧眼の美女がいた
「すいません、冒険者の登録はここでしていますか?」
「ええ、冒険者の登録には銀貨1枚必要ですがよろしいですか?」
「はい、わかりました」
そういって銀貨を1枚置くと、カウンターから白い紙を取り出した
「ここに必要事項を記入してください、代筆は銅貨5枚いただきますが?」
「いえ、大丈夫です」
と言い、紙に書いていく
(名前オカザワ・リュウジ、年齢16、職業魔剣士と..)
「書き終わりました、後すいませんが、この辺りでいい武器屋、宿屋はありますか?」
「ええ、武器屋なら裏手のフラウ武具店、宿屋なら大通りを奥に進んだアーリア亭がオススメです」
「わかりました、ありがとうごさいます」
「それと、ここに人垂らし血を垂らしてください、これで登録完了です」
と銀色の針をとりだす、指を刺して血を垂らしてみると、一瞬光り、そして印のようなものが浮かび上がった
「これで登録完了です、こちらがギルドカードです」
「ありがとうございました」
登録が終わった後、ギルドカードを眺めてみる、鈍い銀色の輝きを持っていた
「それではギルドの基本的なことを説明いたします、そのギルドカードはランクごとに色が変わります、ランクはFからSSSまであり、いまあなた様は一番下のFランクです、ランクは、一定数のクエストをこなしたり、特定の強力なモンスターを倒すと上がります、次に...」
あとはもうこれからの生活が楽しみで全く聞いていなかった、想像しただけだったファンタジーの世界にいるのだから、当然といえば当然なのだが
「以上で説明を終わります、それではお気をつけて」
「ありがとうございました」
意気揚々とギルドからでて、まずは紹介された武具店に行ってみる、角を曲がると紹介されたフラウ武具店があった
「ごめんください」
ドアを開けると、小さめの店内に所狭しと剣や槍が置いてあった
「いらっしゃい」
でてきたのは40台後半と見られる男性だった
「今日はどんな物をお探しで?」
「とりあえず剣と鎧を一式ください」
「初心者にはこの鉄の剣と鉄の鎧が一番扱いやすいかと、合わせて銀貨30枚です、」
「じゃあそれください」
「まいどあり」
剣と鎧を買い、装着してみると、なかなか動きやすかった
「次は宿屋か..」
色々歩き回ったので、もう日が沈みかけていた、岡澤自身もとても疲れていた
「宿屋でとっとと寝よう、今日は疲れた..」
また少し歩くと、アーリア亭に着いた、ドアを開け中に入ると、待ち望んでいた猫耳の従業員が出迎えてくれた
「いらっしゃいませー!」
「猫耳だ..」
猫耳を見て、今日一日の疲れが吹き飛んだかのような感じが襲った
「お泊りですか?一晩朝夜食事付きで銅貨3枚です」
「なら、とりあえず30日分で」
と、銀貨を9枚取り出す
「わかりました〜お一人様ご案内〜」
部屋に案内されてはいると同時にベッドに飛び込んだ
「難しいことは後回しでとりあえず寝よう..
.」
そのまま深く眠り込んでいった...