第6話
そんな私の気苦労も知らずに
和馬はなんだかいろいろ話し出した
あの彼女と別れる理由とか
先輩から告白されてどうしようとか
そんなどうでもいいことばかり
聞けば聞くほど和馬はどうしようもない
けど、なんていうか悪い人ではないとは思った
えーっとあれだ
断れない人なんだな、うん
でもな・・
「蒼樹くんさぁ、そんなことしてたらいつか女に刺されるよ?」
「うん、でもその時は姫条さんに護ってもらおうかな?」
「・・・・・・はぁ?」
「あ、危ない目に合わせるとかそういうことじゃないよ!」
「いや、そういうことじゃなくてさ、なんで私が蒼樹くんを護らなきゃなんないのさ」
「だって、前から思ってたんだけど、姫条さんってなんか頼りになる感じなんだもん」
だもん!じゃないよ!かわいいな!
へ?かわいい?なんでそんなこと思った?
いや、かわいいとかそんなのはどうでもいいんだよ
ここは絶対に流されちゃだめだ!
「私はもうこれ以上蒼樹くんに関わりたくないんだけど」
「相談に乗ってくれるだけでいいよ?」
「そんなの自分の友達にでもしてよ!なんで私なの!?」
流されるな私!気を強くもて私!
この人はいい人だけど、いい人がゆえに女にだらしないんだ!
こんなだらしない人に関わったら
あとあと面倒なことがやってくるぞ!
「じゃあ、友達になろうよ!」
「はぁ?」