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第5話
「す、すごいね!姫条さん!」
「すごくない、それじゃあ私はこれで!」
もうこれ以上関わりたくない
走り去ろうと思い、和馬に背を向けて走り出そうとしたら
腕を強くつかまれた
「な・・・・に?」
「迷惑かけたからジュースでもおごるよ!一緒に帰ろう?」
「いや、本当にいらないから!」
もう和馬に関わりたくない!
つかまれた腕を外そうとしても力が強くてはずれない
「・・・・迷惑?」
「迷惑って・・・そりゃ」
迷惑だよ!って言いたかったのに
捨てられた子犬のような目をして私をじっと見るから
つい・・・つい・・・
「迷惑じゃないけど」と流されるまま和馬と一緒に帰る羽目になった
コンビニでジュースを買ってもらい
近くの公園で飲むことにした
コンビニですぐ解散しようと思ったけど
和馬に強引に連れられてしまったのだ
こんなところ、クラスの人にでも見られたら
翌日変な噂をたてられるに違いない
それだけは絶対に嫌だ!
できるだけ顔を隠してよう
はぁ、いつになったら解放されるんだろう